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教育・研究

2026年04月28日

国際文化学科内尾太一研究室が浜松公共職業安定所と協働し避難訓練を実施、複数メディアに取り上げられました

本学文化政策学部国際文化学科・内尾太一研究室は、浜松公共職業安定所と協働し、ハローワーク浜松浅田庁舎において南海トラフ地震を想定した避難訓練を実施いたしました。2026年3月9日午後3時に震度6強の地震が発生したという想定のもと、職員や来所者とともに、実際の利用時間中に避難行動を確認しました。

ハローワーク浜松浅田庁舎は、JR浜松駅南側に位置し、高齢者や外国人住民の利用も多い、多様な人々が集う公共施設です。大規模地震が発生した場合には、それぞれ異なる状況にある来所者への対応が求められます。

今回の取組は、浜松公共職業安定所からの協力依頼を受け、内尾研究室が調査段階から関わる形で実現しました。内尾ゼミでは2025年秋より、庁舎内において来所者へのアンケート調査(日本人288件、外国人65件)を実施するとともに、職員および来所者20名以上への聞き取り調査を行いました。これらの調査を通じて、来所者層の特性や防災意識、災害時の行動上の課題を把握し、担当者との協議を重ねながら、訓練内容を共同で計画しました。

聞き取り調査の様子
聞き取り調査の様子
アンケートの集計作業
アンケートの集計作業
当日は、館内アナウンスを合図に、机の下に身を守る行動や、職員の誘導による屋外への避難が行われました。実際の来所者がいる状況での訓練は初めての試みであり、混雑時の動きや声かけの工夫など、実際の場面でなければ見えにくい課題も明らかになりました。
 
来所者に配布した参加呼びかけカード付き防災食
来所者に配布した参加呼びかけカード付き防災食
避難訓練中の様子
避難訓練中の様子

本訓練の目的は、職員および来所者の防災意識の向上と、災害時対応における課題の把握にあります。また、大学教育の観点からは、学生が不確実な災害状況への対応や多様な避難者への配慮を学び、調査を実践へとつなげる貴重な機会となりました。

このように、大学の研究と地域の実践が連携し、来所者も参加する形で実施された避難訓練は、公共施設全体を見ても全国的に類例が限られています。南海トラフ地震が想定される地域において、日常の延長線上で備える取組として、今後の展開が期待されます。

なお、本訓練の様子は、テレビ静岡(3月9日)、静岡新聞(3月10日)、中日新聞(3月11日)、読売新聞静岡県版(3月11日)でも紹介されました。


以下は、参加した内尾ゼミの学生の振り返りのコメントです。
訓練当日だけでなく企画の段階から携わらせていただき、様々な側面を考慮して計画を立てたが、それでも想定外の部分で課題があった。その中には知っていれば対応できたものがあり、「災害があった時に備えるもの」と「日頃から防災を啓発できるもの」の双方を整備して行くことが必要だと考えた。また避難訓練を通じて、災害があったときに自分や周りの人がどう動くのかを全く想像していないことは生存率を大きく下げることになると感じた。避難訓練の重要さを改めて体感し、周囲に広げて行きたいと思った。(4年 廣中茉優花)
 
ハローワークという、多様な人々が居合わせる公共空間に深く関わったことで、防災に対する意識が更に変化した。事前調査や半構造化インタビューに参画させていただき、平時の利用では看過されがちな「通路幅は車椅子利用者の避難動線を確保できているか」「多言語での情報伝達は即時的に機能するか」といった課題が浮き彫りになった。実際の訓練後には、参加者から「河川に隣接する立地において、この避難場所選定は適切か」「誘導指示に具体性が欠けていた」といった、現場のリアルな声もいただいた。こうした「計画と実態のズレ」を肌で感じ、そこを真摯に埋めていくプロセスこそが、本当に命を守る防災には不可欠だと痛感する。私たちのゼミは学生それぞれの興味関心が異なるが、その視点の多様性を強みに、今回見えた課題に対して、より柔軟で実効性のある具体的なアイデアを提案していきたい。(4年 白石彩音)
   
「自分だけは大丈夫」「防災はいつかやろう」という気持ちをまず変えることが大切なのだと実感した防災訓練だった。事前インタビューや想定では、避難誘導があっても「きっと大丈夫だろう」と思ってしまったら逃げないだろうという意見が出て、実践後のインタビューでは、周りの人が積極的に避難行動をとっていたから自分もやろうと思えた、という感想があった。そのため、自分の命を確実に守るために、「おはしも」や「津波てんでんこ」というような標語を意識するなど、いつどこで起こるかわからない震災に対し適切な危機感や備えをしておくことの大切さを学んだ。(4年 遠山琴々乃)
 
今まで海や川から離れた地域で育ってきた私にとって、今回の避難訓練はこれまでとは異なる気付きの多い体験となった。普段の学校での訓練は、慣れた環境の中で親しい友人と行うことが多い。しかし今回は初めて訪れた場所で、そこで出会った人たちと共に避難訓練に参加したため、いつもとは違う緊張感や新鮮な視点を持って取り組むことができた。環境や一緒に取り組む人が変わることで、災害時の行動や意識の持ち方も変わることを実感し、防災について改めて考える貴重な経験となった。(3年 宇都宮万葉)
 
学校外での避難訓練は新鮮だった。防災意識が高まるとともに、改善点を見つけたり、地震発生時に想定される状況を考えたりすることができた。ハローワークの職員の方によると、春の午前中は混雑することが多いそうだ。時期による来所者数の差や、建物の目の前に流れる川の氾濫など、さまざまな可能性を考慮し、対応を検討しておくことで、実際の現場での混乱を減らすことにつながると感じた。(3年 山下結加)
 
避難訓練を通して、様々な場面での避難を想定し、より良い避難のあり方について客観的に考えることができた。そして予想を超える来庁者の参加やインタビューから、市民の方々が防災について一定の意識を持っていると感じた。今回の訓練では拡声器を用いた避難誘導などスムーズに進んだ点もあったが、実際の災害時には周囲の状況や人々の心理状態によって不測の事態が起こり得る。今後は訓練で得た課題を振り返り、防災の質を高めていきたい。(3年 平田理紗)
 
今回の避難訓練ではヘルメットの着用が上手くいかない場面があり、日頃から防災用品の確認をこまめに行うことの大切さを再認識することができた。また、避難訓練に参加することで、あらためて気づく視点が多く、さらに訓練後に参加者同士で情報を共有することにより、より防災意識を高めることができたと感じる。日頃からさまざまな場合を想定した訓練に参加し、それぞれの視点を共有しておくことが防災につながっていくと感じた。(3年 小堺麻衣)

発行部署:企画室