イベントレポート

2022年12月21日

室内楽演奏会2022「スペインの風―フラメンコの音楽と舞踊-」を開催しました

12月3日に本学の講堂で室内楽演奏会が行われました。この演奏会は学生と教員が企画を考え、準備と運営を行うイベントです。観たり聴いたりして楽しむだけでなく、出演者によるレクチャーが行われるという一般的な演奏会にはない特色があります。
今回の公演はスペインの伝統芸能であるフラメンコをテーマに行いました。ゲストには浜松市出身のフラメンコ舞踏家の大塚友美さんをはじめ、スペイン出身の歌い手のミゲル・デ・バダホスさん、フラメンコギター演奏者の鈴木尚さん、舞踏家の三枝雄輔さん、鈴木時丹さん、大塚さんが主宰するフラメンコスタジオのメンバー4名の計9名をお招きしました。
まず出演者からフラメンコとはどのような芸能であるかを本学の梅田英春教授との対談を通して伺いました。そして出演者の皆さんによるフラメンコの華やかなステージが上演されました。
対談では大塚さんからフラメンコの概要と歴史を、鈴木尚さんからフラメンコギターの特徴を、バダホスさんから歌の意味とスペインのフラメンコ事情をそれぞれお話しいただきました。
大塚さんはヨーロッパが長年イスラム文化圏に支配されていた歴史に触れ、フラメンコの音階や音の並び方、舞踊の特徴にもイスラム文化の片鱗が残っていると話しました。鈴木尚さんは強くかき鳴らすフラメンコギターの特徴がロマ民族の歴史に関係していることを解説しました。バダホスさんは歌(カンテ)がフラメンコには必要不可欠なものであり、口頭伝承によってそれを学んできたと話しました。
出演者から直接お話を聞く貴重な機会となり、来場者の方々はフラメンコへの興味や理解を深めることができたようでした。
ステージではバダホスさんの魂のこもった歌に、鈴木尚さんの力強いギター演奏が加わり、7名の舞踊家がそれぞれの歌と演奏に合わせて舞踊を披露しました。大塚さんはブランコ遊びから生まれた民謡『バンベーラ』の歌に合わせて、10分にわたる情熱的な舞踊で来場者を魅了しました。ラストはスペインのお祭りには欠かせない曲『セビジャーナス』が演奏され、出演者全員がステージに立ちました。フラメンコ発祥の地であるアンダルシア地方のお祭りでは、この曲に合わせて老若男女が踊り明かします。それを思わせるような感動的なフィナーレが展開され、鳴りやまない拍手の中で終演しました。
今回の公演を行うにあたり、学生たちは前日からコンパネというフラメンコの舞踊をするために必要な板をステージに敷きつめる準備をしました。また、チラシの配架やSNSによる広報活動、前日の会場準備、当日の運営など学生が中心となって進めてきました。 当日の受付や案内での心のこもった対応と陰で懸命に働く姿に対して、来場者の方々から感謝の言葉やお褒めの言葉、労いの言葉などを数多くいただきました。
フラメンコをテーマにした室内楽演奏会は2019年度の学生が企画しました。しかし、感染症拡大の影響で度々延期され、今年度ようやく開催することができました。そのため、企画から運営までひじょうに多くの学生が参加したイベントになりました。

学生からのコメント

吉原有希さん(芸術文化学科)
私は今回のレクチャー&コンサートで受付を担当しました。前回の反省を生かすために全員で意見を出し合ったため円滑に進めることが出来ました。受付はコンサートに足を運んでくださったお客様と初めに顔を合わせます。次々に入場されるお客様からコンサートを楽しみにしている様子が感じられてとても嬉しかったです。依然としてコロナ禍を感じる部分はありましたが、このコンサートをきっかけにこの先フラメンコを見に行かれるお客様が、少しでも早くのびのびとフラメンコを楽しめるようになること願っております。
柴田ちはやさん(芸術文化学科)
今回はフラメンコについてのレクチャー&コンサートを実施し、学生が運営を担いました。多くの方に来ていただけるよう、チラシ文章の検討やチラシの配架場所、誘導の導線などを学生同士で議論し、考えを練りながら本番に向けて準備を行いました。準備段階から本番当日の運営を通して、実践的な学びを得ることができました。 お帰りになる際のお客様から開催への感謝の言葉を頂き、ご来場くださった皆様がコンサートを楽しんでいただけたことを非常に嬉しく思います。

開催概要

チラシの画像
【日時】2022年12月3日(土曜日)
    開場:午後2時30分   開演:午後3時
【会場】静岡文化芸術大学 講堂
【参加費】無料
【出演】大塚友美、ミゲル・デ・バダホス、鈴木尚、
    三枝雄輔、鈴木時丹、フラメンコスタジオアルサィトマ
【主催】静岡文化芸術大学 文化・芸術研究センター
【運営】静岡文化芸術大学室内楽演奏会2022
【後援】浜松市

発行部署:地域連携室