イベントレポート

2023年09月13日

公開講座「コーヒー2050年問題とフェアトレードの現在」

本学と日本環境学会が共催で、公開講座「コーヒー2050年問題とフェアトレードの現在ーおいしいコーヒーを飲み続けるために私たちに何ができるか?ー」を開催しました。
「コーヒー2050年問題」とは、気候変動の影響によって、2050年には現在のコーヒー生産地の収穫量が半減する予測を指しています。収穫量が半減すれば生産者の収入も半減することになるため、現場では課題として捉えられています。
この課題解決に向けて私たちはどのような貢献ができるのか、フェアトレードを切り口に専門家を招いてパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションには、武田淳准教授(国際文化学科)、中島佳織氏(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン)、渡耒絢氏(日本品質保証機構)、小倉亜紗美氏(呉工業高等専門学校准教授)が登壇しました。
最初に、武田准教授より「コーヒー2050年問題」の解説が行われると共に、生産現場で起きている反応について、現地調査に基づいた報告がありました。現地ではコーヒー豆の減収に備えて、豆以外の部位(例えばコーヒーチェリーの果肉)を活用した商品が盛んに開発されおり、特にフェアトレードコーヒーの生産者が熱心な活動を展開しているとのことです。
第二登壇者の中島氏は、フェアトレード認定制度の仕組みを解説しました。フェアトレードは貧困削減のツールとして発展しましたが、近年では問題解決の射程が環境問題に広がりつつあることが事例と共に報告されました。気候変動と貧困問題が表裏一体である以上、「持続可能な雇用」をいかに確保するかが需要な課題となります。
第三報告者の渡耒氏は、SDGsおよび環境配慮型農業という大枠から、ネパールでこの課題にチャレンジしている日本企業の取り組みを紹介しました。
最終報告者の小倉氏は、スリランカの事例を取り上げました。現地調査で渉猟した生産者たちの収入などの具体的データを用いて、フェアトレードがどのように生産現場の「持続可能性」を高めていくのか報告されました。
講演の様子の画像
会場では「フェアトレード・マーケット」が同時開催され、コーヒーをはじめハーブティーやクッキー、シアバター、ぬいぐるみなど様々なフェアトレード商品の販売が行われました。また、出会いの広場では「つながるカフェ」が開かれ、フェアトレードコーヒーやコーヒーチェリーティー、コーヒーリーフティーなどの実演販売が行われました。
参加者の皆さんは、パネルディスカッションで紹介された商品を実際に味わい、商品に関する説明展示を熱心に読まれていました。
フェアトレードマーケットの様子の画像
フェアトレード・マーケット
つながるカフェの様子の画像
つながるカフェ

開催概要

公開講座のチラシの画像
【日時】2023年6月24日(土曜日) 午後1時30分から午後3時30分
【会場】静岡文化芸術大学 講堂
【登壇】武田淳(静岡文化芸術大学)、中島佳織(認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン)、渡耒絢(日本品質保証機構)、小倉亜紗美(呉工業高等専門学校)
【主催】静岡文化芸術大学 文化・芸術研究センター、日本環境学会
【後援】認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン、はままつフェアトレードタウン・ネットワーク、浜松市、中日新聞東海本社、静岡新聞社・静岡放送

発行部署:地域連携室