教育・研究

2024年11月19日

本学デザイン学部の学生が静岡科学館と浜松科学館で作品の発表を行いました

本学デザイン学部 的場ひろし教授のゼミや担当科目を履修する学生が、静岡科学館と浜松科学館で作品の発表を行いました。

8月25日に静岡科学館「る・く・る × ラボ」で展示を行い、10月12日から14日までの3日間、浜松科学館「科学の学園祭」で展示を行いました。いずれも科学館が近隣の教育機関の成果発表のために例年実施しているイベントでの展示です。
どちらのイベントでも多くの来場者に展示作品を体験していただき、好評を得ることができました。

的場教授は前職のNEC在職時から、両科学館に「デジタルフクワライ」等のインタラクティブな作品を提供し、常設展示が行われていました(静岡科学館では開館時から現在まで、浜松科学館では過去に常設)。
本学着任後も、本学の成果物を学外に向けて発信するため、また来場者や科学館スタッフの方から成果物への意見や感想をいただくために、連携を一層密にして毎年様々なイベントに協力しています。

今回出展した学生作品は、いずれも市販・流通されているゲーム作品には無いユニークなアイディアに基づくものであり、様々な技術やツールを活用して、新規性のあるインタラクションデザインを実現しています。
来場した小学生や中学生は、初めて接するゲームの中の新しい「遊び」の要素をすぐに理解してゲームを繰り返し楽しんでいました。また、保護者の方々からは、それぞれの作品の仕組みや制作方法、大学での指導方法等について興味を持っていただき、多くの質問が寄せられました。

なお、今回の展示では、地域連携演習プログラム「科学館展示プロジェクト」を受講する文化政策学部とデザイン学部の1年生10名が、展示の準備作業や運営を担当し、科学館スタッフや来場者と接することで、実践的な学びの機会を得ることができました。

展示作品紹介(作品概略・制作者・制作を行った科目等)

浜松科学館では8点全てを展示し、静岡科学館では(3)から(8)の5点を展示しました。

(1)「ナンバーダーツ」

4年 新福拓也 (2024年度卒業制作に向けた試作)
浜松科学館1
8人までの参加者がそれぞれタブレットを使って、1から100までの数字が振られたダーツを、自由なタイミングで大型スクリーン上に投げ入れることができる。ただし、1から100まで数字の順序が正しく並ぶような位置に投げ入れる必要があり、数字の順序が狂うと減点されてしまう。サーバ技術を活用して実現した複数人による協力型ゲーム。

(2)QR科学学園からの卒業」

3年 澁谷莉子、鈴木祐佳、寺本侑生、前田鈴菜(2024年度 インタラクションデザイン)
浜松科学館2
4人までの参加者がそれぞれタブレットを使って、展示ブース内に貼られたQRコードを読み取ることで、タブレット上に理科の設問が出題される。それらに正しく回答して、最終的に協力型のミニゲームを行い、成功することでQR学園から卒業できる。新しいスタイルでQRコードを脱出ゲームに応用した作品。

(3)「YAHIRADE」

卒業生 佐々木健輔(2023年度 卒業制作)
浜松科学館3
画面上に次々に現れる指示に従って、左右の手を使いわけて5つのボタンを押したり、両手を合わせる合掌の操作を行う、ユニークなインタラクションを実現したリズムゲーム。今年開催された「浜名湖花博」にも出展し、好評を得た作品。

(4)「電話番号GO!GO!」

4年 淺井実侑、阿佐野円佳、小野山宮彩 (2023年度 領域専門演習)
静岡科学館4
スクリーンに現れる電話番号(あるいは語呂あわせの文章)を読み取り、PCに接続できるように改造したプッシュホンを2台使って、提示された番号に早く電話をかけることを競う二人用対戦型ゲーム。電話をかけるための手順や、受話器から聞こえる音等に、リアリティを持たせるための工夫が行われている。

(5)「ドレミファ サファリ ストリート」

4年 髙橋璃子 (2024年度 総合演習2)
静岡科学館5
転がすとメロディが鳴る電子玩具。車輪状の玩具の側面に、音階を割り当てた「キー」を貼り付けることで、玩具を転がして、キーが床に接する瞬間に、キーに対応する音階の楽器音が内部のスピーカーから鳴る。キーの配置によって自由にメロディを作ることができる。

(6)「めざせ 計算マスター」

3年 秦くるみ、大平涼介(2024年度 領域専門演習)
静岡科学館6
画面上にランダムに現れる「数」が答えとなるような計算式を、カードを使って完成させるゲーム。1から10までの数字と演算記号の描かれたカードの中から、二つの数字と、一つの演算記号のカードを選び、卒業式で使われる角帽を模した判定装置の上に計算式の形に並べることで、計算結果が画面上の「数」と一致した場合には正解、一致しない場合は不正解の判定結果が表示される。

(7)「漢字を当てて下さい」

交換留学生(華東師範大学大学院所属)黄郁庭(2024年度 インタラクションデザイン特論演習)
静岡科学館7
中国からの留学生として、日本では一つの漢字にたくさんの読み方があることに驚いた経験が動機となって制作された作品。画面上に現れる3つの熟語に、共通の漢字が入る空欄がある(共通の漢字だが、それぞれの熟語の中では互いに異なる読み方になる)。空欄を埋めて3つの熟語を完成させるために、漢字の書かれたカード20枚の中から正しい漢字を一つ選び、判定のための箱にカードを置くことで、正解・不正解の判定結果が表示される。

(8)「動物の秘密」

デザイン研究科1年 陳依婧(2024年度 インタラクションデザイン特論演習)
静岡科学館8
画面上に現れる出題文を読み、24体の動物のフィギュアの中から、該当する動物を選んで、判定のための箱に載せるゲーム。箱が4つ用意されており、問題の内容に合わせて、1つから4つまでの動物を回答する必要がある。問題文には「中国の十二支の動物で、日本の十二支には含まれないものを2つ選びなさい」や「日本で飼われている家畜を、多い順に左から4つ並べなさい」)等が含まれている。

発行部署:企画室