教育・研究
2024年12月03日
デザイン学科・松田准教授編著『【レオナルド・ダ・ヴィンチ理想都市模型に関する学際的研究 】なぜミラノと浜松に、同じ巨大模型が存在しているのか?』の研究成果が発表されました
本学デザイン学科の松田達准教授が編著した『【レオナルド・ダ・ヴィンチ理想都市模型に関する学際的研究】なぜミラノと浜松に、同じ巨大模型が存在しているのか?』の研究成果が発表されました。
2022年度より三菱財団人文科学研究助成を受けて研究が進められ、シンポジウムや展覧会、海外調査を経て、共同研究として報告書にまとめられたものです。
他5名の研究メンバーには、本学芸術文化学科の田中裕二准教授、前本学デザイン学科の天内大樹准教授(現青山学院大学准教授)らも加わっています。
この模型の意義を、レオナルド・ダ・ヴィンチの軌跡や位置づけもたどりながら、建築史・都市計画史・美学・博物館学等などの視点から学際的に解き明かすことを試みた研究です。
研究成果報告書
『【レオナルド・ダ・ヴィンチ理想都市模型に関する学際的研究 】なぜミラノと浜松に、同じ巨大模型が存在しているのか?』
【編著者】松田達【著者】五十嵐太郎、菅野裕子、横手義洋、田中裕二、天内大樹
【編集制作・表紙デザイン】 菊地尊也
【発行元】静岡文化芸術大学デザイン学部デザイン学科松田達研究室
【発行年月】2024年9月
【書籍サイズ】26cm
松田准教授のコメント
レオナルド・ダ・ヴィンチの、建築家、都市計画家としての側面は、あまり知られていませんでした。特に手稿に断片的に描かれた「理想都市」構想は、同時代ルネサンスの建築家らが描いた軍事的な効果を重視した星型で求心的な「理想都市」とは大きく異なっており、その意義が明確に位置づけられてきていませんでした。
しかし、レオナルドの構想はペストが流行った後の衛生学的な観点をもとに、上下の道や水路を駆使した多層化した立体的な都市構想であり、15世紀の計画だと思えないほど多くのアイディアが組み込まれています。直近のコロナ禍の社会にも示唆的であったような内容です。この構想の模型が20世紀半ばにミラノで制作され、1980年代にそのレプリカがつくられ日本に運ばれて、いくつかの奇遇で本学に寄贈されるに至ったわけです。約1.7m×3mの巨大な木製模型です。オリジナルはロンバルディア州の文化遺産にも登録されているくらいですから、そのレプリカも極めて貴重だと考えられます。
この模型の意義を様々な観点から考える共同研究が2022年からはじまり、展覧会、シンポジウム、海外調査などを経て、2年間の研究成果として2024年9月に本誌のかたちにまとまりました。天内大樹(青山学院大学)、五十嵐太郎(東北大学)、菅野裕子(横浜国立大学)、田中裕二(本学)、横手義洋氏(東京電機大学)らとの複数大学による学際的な研究です。シンポジウムでは、レオナルド研究の第一人者である長尾重武氏、池上英洋氏らにも加わって頂きました。展覧会では本学学生も映像やパネルの制作などで活躍しています。本誌にはこれらのほぼ全過程が豊富な図版とともに記録されています。
本誌は限定1000部の非売品として制作し、研究者、関係者らに配布したほか、国立国会図書館、静岡県立図書館、浜松市立図書館、各大学図書館など複数の図書館に寄贈しています。こうした研究成果が多くの方々に共有されれば幸いです。純粋にレオナルド・ダ・ヴィンチの知られざる側面を知っていただくこともできるかもしれません。もしご関心のある方がいましたらお問い合わせください。
しかし、レオナルドの構想はペストが流行った後の衛生学的な観点をもとに、上下の道や水路を駆使した多層化した立体的な都市構想であり、15世紀の計画だと思えないほど多くのアイディアが組み込まれています。直近のコロナ禍の社会にも示唆的であったような内容です。この構想の模型が20世紀半ばにミラノで制作され、1980年代にそのレプリカがつくられ日本に運ばれて、いくつかの奇遇で本学に寄贈されるに至ったわけです。約1.7m×3mの巨大な木製模型です。オリジナルはロンバルディア州の文化遺産にも登録されているくらいですから、そのレプリカも極めて貴重だと考えられます。
この模型の意義を様々な観点から考える共同研究が2022年からはじまり、展覧会、シンポジウム、海外調査などを経て、2年間の研究成果として2024年9月に本誌のかたちにまとまりました。天内大樹(青山学院大学)、五十嵐太郎(東北大学)、菅野裕子(横浜国立大学)、田中裕二(本学)、横手義洋氏(東京電機大学)らとの複数大学による学際的な研究です。シンポジウムでは、レオナルド研究の第一人者である長尾重武氏、池上英洋氏らにも加わって頂きました。展覧会では本学学生も映像やパネルの制作などで活躍しています。本誌にはこれらのほぼ全過程が豊富な図版とともに記録されています。
本誌は限定1000部の非売品として制作し、研究者、関係者らに配布したほか、国立国会図書館、静岡県立図書館、浜松市立図書館、各大学図書館など複数の図書館に寄贈しています。こうした研究成果が多くの方々に共有されれば幸いです。純粋にレオナルド・ダ・ヴィンチの知られざる側面を知っていただくこともできるかもしれません。もしご関心のある方がいましたらお問い合わせください。
(注)なお、下記は展覧会の案内として制作した、レオナルド・ダ・ヴィンチ理想都市模型の3DCG化映像です。動画であるため、本誌に収録できませんでしたのでご紹介します。
発行部署:企画室