教育・研究
2025年02月21日
「ふじのくに地域・大学フォーラム」にて、本学の6つのゼミが研究成果を発表しました
公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアムが主催する「第10回ふじのくに地域・大学フォーラム」が静岡理工科大学 静岡駅前キャンパスで開催されました。
同フォーラムは、「ゼミ・研究室等地域貢献推進事業」の研究成果などの発表を行う場であり、本学からは「ゼミ・研究室等地域貢献推進事業」に採択された6つのゼミが研究成果を発表しました。
フォーラムの様子
舩戸修一教授ゼミ(文化政策学科)

浜松市天竜区佐久間町下平地区では13歳以上の他出子、久留女木地区では15歳以上の住民に対して調査を行いました。行った調査結果をもとに、地域づくりの方策を発表しました。下平地区では、ほとんどの他出子が帰省しているが、祭礼への参加意思は低いことが分かりました。久留女木地区は、祭礼にくじ引きや餅なげなどの余興を取り入れ他出子を呼び込む工夫を行っています。下平地区もこのような余興を導入し、多くの他出子に地域の祭礼に参加してもらい、祭礼への参加を通じて地域とのかかわりを深め、共同作業や自治会活動にも参加してもらい、地域づくりを進めていくことを提案しました。
二本松康宏教授ゼミ(国際文化学科)

浜松市天竜区の熊地区で行った昔話の採録調査の成果を発表しました。2014年度から水窪町、龍山町、春野町で調査を進めており、今回は、旧天竜市の熊地区です。採録調査では話を聴くための技術が必要であるため、現地での研修や教員、上級生、外部講師からのレクチャーを受けて行っています。また、こうした昔話は家庭内で語り継がれてきたため、他人の前で話すのは「恥ずかしい」とされることが多く、語っていただけるまでの信頼関係の構築が非常に重要であると説明しました。採録した昔話は「方言のまま、語り口のまま」に翻字し、書籍として刊行します。
藤井康幸教授ゼミ(文化政策学科)

磐田市にある豊岡地区で発足した農村RMOの活動支援を今年度の事業テーマとしました。農村RMOとは、「複数の集落の機能を補完して、農用地保全活動や農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティの維持に資する取組を行う組織」(農林水産省HPより)のことです。具体的な支援として、ワークショップにおける提案、地域イベントへの参加、他地域の事例視察、情報発信を行いました。こうした支援活動を通じて、見えてきた今後の取り組みとして、次の提案をしました。住民参加型防災の展開、里山ツーリズムによるファンの獲得、情報発信の強化です。いずれにしても、小規模であっても持続可能な取り組みを行っていくことが大切であると発表しました。
西田かほる教授、水谷悟教授ゼミ(国際文化学科)

課題「古文書整理 地域資源としての古文書を考える」
川根本町千頭の殿岡家が所蔵する古文書整理の成果を発表しました。2019年から調査を行い、6年間で、8,000点以上を調査しました。今年度の活動として、合同史料調査、現地調査を経て、12月15日、16日には、多くの地域の方々に参加していただき、展示会・報告会を開催することができました。
今年度の調査で、特に興味深かった文書として、千頭村の戸籍證や、浜松県の長官が発令した生活困窮者への対応を具体的に記したものなどが挙げられました。
これまでの古文書整理を通して、地域に保存される古文書は、地域の歴史・文化・生活を知る地域資源であり、こうした地域資源の活用について、地域の方々と一緒になって考えることができたと締めくくりました。
また、今年度をもって、殿岡家史料の調査は終了したことが報告されました。
林左和子教授ゼミ(文化政策学科)

課題「新県立図書館についての広報手法」
新県立図書館の存在を知ってもらい、多くの県民に図書館を利用してもらうために広報していく必要があるが、住民の情報源や新県立図書館へのニーズ等を把握するため、浜松市中央図書館の利用者へアンケートを実施しました。
若い世代の新県立図書館に対する認識が薄いため、高校生によるワークショップの開催を提案しました。この取り組みを、全世代に浸透している広報媒体であるテレビに取り上げてもらうことで、幅広い世代への働きかけにもなると説明しました。
高山靖子教授ゼミ(デザイン学科)

課題「エコツーリズムについての提案」
下田市の地域資源をベースに、子どもの地域愛の醸成と将来の地域経済の発展を目的に、エコツーリズムを実現するための教育に資するプログラムを提案しました。
一つ目は、「伊豆石小蔵」です。今は採掘されていない伊豆石を模した小さな蔵を作り、それをタイムカプセルにするという提案です。二つ目は、「横断音楽隊」です。ペリー来航とともに伝わったアメリカのポピュラー音楽にヒントを得て、雨の通学時に着用する音楽隊を模したレインコート等をデザインしました。雨の下田を彩り、また新たな観光風景とすることを目指します。
最後に、「てん草運動会」です。ところてんを作る過程を運動会の種目に取り入れ、障害物リレーを提案しました。
子どもの活動を通じて作られる風景が、過去と未来を紡ぎ、地域住民はもとより、観光客も惹きつける新たな文化となることを期待していると締めくくりました。
ふじのくに地域・大学コンソーシアム公式YouTubeチャンネル
開催概要

【会場】静岡理工科大学 静岡駅前キャンパス
【参加費】無料
【主催】公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム
発行部署:地域連携室