教育・研究

2025年05月20日

「演劇文化論」にてゲストを迎えた特別講義を実施しました

文化政策学部学部科目「演劇文化論」(担当:芸術文化学科・永井聡子教授)では、講堂を教室として、演劇と劇場の歴史や本質的な視点を多角的に講義しています。 舞台芸術の現場で活躍する一流アーティストによるゲスト回では、初回(5月1日)に義足のダンサー・大前光市さんにお越しいただきました。

「障がいと舞踊界」「劇場空間と身体表現」をテーマに永井教授との対談が行われたほか、大前さんの初期の代表舞踊作『SWAN』、本学で初演の『時の空』が再演され、身体を動かすワークショップ、学生との質疑応答などとあわせて、充実した90分となりました。

作品『SWAN』
作品『SWAN』
作品『時の空』
作品『時の空』

『時の空』初演時、学内はガラス張りの西ギャラリーにて、外光の中での上演でしたが、 今回は講堂で照明を使った好評の再演となりました。

学生からは 「考えても見なかった舞踊界の障がい者の立場」 「プロデューサーとアーティストの信頼関係がみえた」 「舞踊家の思考が劇場の専門性を明らかにした」「衝撃、感動の2作品」 などの感想が述べられました。

永井教授より

大前さんは、リオ・パラリンピック2016の閉会式に出演した頃より私の授業のゲスト講師にお越しいただき、2020年頃のコロナ禍も継続して講堂にて対談と実演を行ってきました。大前さんとは、私が企画プロデューサーを務めた劇場公演(静岡市清水文化会館マリナート)演劇作品『天人五衰』(三島由紀夫原作、2017年)や、本学では、『YUKI』(小泉八雲原作『雪女』より、講堂、2025年)への出演、大前さんとともに東京パラリンピック2020の開会式に出演した車椅子ダンサー・かんばらけんたさん、自閉症ダンサー・光陽師想真さんなど障がいをもったアーティスト、佐藤典子舞踊団とのコラボ企画「Academic Dance Collection 2019〜令和世代の君たちへ」(講堂、2019年)を一緒にプロデュースした経緯もあり、様々な視点から舞台芸術の現場の教科書には載らない、かなり深い話を学生に伝え続けることができたと思っています。
講堂内での集合写真

6月以降の講義では、伝統芸能の世界で活躍する豊松清十郎さん(人形遣い)、花柳源九郎さん(日本舞踊家)、藤舎推峰さん(篠笛・能管演奏家)にお越しいただき、劇場や舞台芸術について各界の最前線のお話をしていただきます。

なお、各講義では、制作アシスタントに永井ゼミの学生(3年生、4年生、大学院生)が参加しています。

発行部署:企画室