教育・研究
2025年07月04日
「国際文化概論」にてゲストを迎えた特別講義を実施しました
国際文化学科の学科基礎科目「国際文化概論」(担当:二本松康宏教授)にて、天竜区長の仲井英之様、浜松市天竜区まちづくり推進課 課長補佐の田辺義幸様をゲストにお招きし、天竜区熊地区での民話の採録調査に関する特別講義が行われました。


二本松教授が担当する文化政策学部国際文化学科の伝承文学ゼミでは、浜松市天竜区の中山間地域で昔話や伝説を採録し、書籍として刊行する活動に取り組んでいます。2024年度には天竜区の熊地区を調査地として、ゼミに所属する鈴木実咲さん、滝澤未来さん、服部奏さん、廣濵波貴さんの4名(いずれも文化政策学部4年)が、20数回におよぶフィールドワークを重ね、熊に暮らす高齢者の方たちから昔話、伝説、世間話、言い伝えなどを採録しました。それらを精選しまとめたものが、書籍『天竜くんまの昔ばなし』として刊行されています。
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本講義では、熊地区での調査活動について、参加した4名のゼミ学生による活動報告に加え、調査活動にご協力いただいた仲井区長、田辺課長補佐からの講話、ゼミ学生とお二人との座談会が実施されました。
ゼミ学生による活動報告では、実際の調査の進め方や活動における体験談が紹介され、活動の中で得た学びやスキル、語り手の人々が託した思いについて述べられました。
続いて、田辺課長補佐からは、調査活動に同行した中での学生の様子に触れつつ、現地調査を重ねるごとに学生と語り手との距離が近づいていったこと、学生のやる気、一生懸命さが語り手の心を動かしたことについて述べられました。また仲井区長からは、少子高齢化が進む天竜区の現状について説明があり、そのような地域で行われる採録調査は、大学が学術により地域に貢献するものとしてその意義を高く評価いただき、また、後に続く学生に対してもエールを送っていただきました。


その後、ゼミ学生との座談会では、お二人から、地域の良さはそこに住んでいるとなかなか気付かないが、域外の人が循環することで地域の魅力が再発見されることや、過疎化・少子高齢化により消えつつある伝統文化や民俗芸能に、大学等の研究機関が光を当てることの意義について語っていただきました。

最後には、履修生からの質疑応答が行われました。地域の人たちと信頼関係を築く方法についての質問には、ゼミ学生から「とにかく現地に足を運び、顔をあわせて直接話を聞くこと」「アナログなコミュニケーションの積み重ねが大切」との回答がありました。
発行部署:企画室