学生・卒業生の活躍

2022年04月22日

学生団体「引佐耕作隊」が「第22回中部の未来創造大賞」で優秀賞を受賞しました

浜松市北区引佐町にある「久留女木の棚田」でお米の耕作活動をおこなう学生団体「引佐耕作隊」が、「第22回中部の未来創造大賞」(国土交通省主催)で優秀賞を受賞しました。
予定していた授賞式は新型コロナウイルス感染対策のため中止。学生のもとに届いた賞状と賞金を手に、横山学長、松下理事に今回の受賞を報告しました。
受賞報告の様子

「中部の未来創造大賞」は、「多様な主体による協働」による活動の推進し、新しい時代にふさわしい中部の未来の発展と啓発を促進することを目的に、社会資本の整備及びその利用・保全に基づく活動に顕著な貢献があった地域住民、NPO、企業、学校、建設業界、行政等の活動を顕彰しています。

第22回となる今回は35件の応募があり、表彰委員による事前調査、現地調査を経て、大賞・優秀賞・特別賞・奨励賞の9件が選ばれました。「引佐耕作隊」は3件の優秀賞のひとつに選考されています。
学生団体「引佐耕作隊」は、2016年4月から「久留女木の棚田」の耕作放棄地の解消を目的に活動を開始。地域の方々の指導や協力をいただきながら、春から秋にかけて毎週末通い、植え付けから収穫まで、一連の農作業を行っています。収穫したお米(品種「にこまる」)は「久留女木 棚田の恵」という名称で本学生協や浜松市内の飲食店で販売。パッケージも本学デザイン学科の学生がデザインしています。
2021年度は105キログラムのお米を収穫。無事完売し、川勝静岡県知事にも献上し召し上がっていただきました。お米の売り上げは、次年度の活動資金に充てられています。
 

メンバーの鈴木義人さん(文化政策学科4年)は、この活動で伝えたいことは「棚田の多面的機能」と言います。耕作された棚田には、食糧生産の機能のほかに、水源涵養・生態系の多様化・美しい景観の創出・都市農村交流の機会提供といった機能があり、その恩恵は棚田周辺の地域住民だけでなく、都市住民(浜松市街など)も享受しています。

学生たちが地域住民と交流しながら棚田を耕し、収穫した「棚田の恵」を購入することで、直接的に棚田を耕作していない人たちも棚田の保全に関わることとなり、その販売利益は持続可能な活動につながります。また、都市部でのイベントに参加し活動報告を行うなど、「棚田の多面的機能」を広く知ってもらう活動も展開しています。
田植えの様子
横山学長は、「以前、久留女木を訪ねた時、今はあまり見なくなったタガメなど豊かな生態系を見ることがあり、美しい地域だと感じた。井伊直虎の『隠し里』と呼ばれたように、地域の人々が受け継いできた土地。これからも一緒に取り組んでいきたい」と述べられ、松下理事は「学業と活動の両立や資金面のやりくりなど、苦労したことも多かったと思う。後輩の皆さんは先輩たちの背中を見ながら、ぜひ積極的に取り組んでほしい。困ったことがあれば大学に相談することも大事」と、これまでの活動を労い、今後の活動について励まされました。
受賞報告の様子
受賞報告のようす
受賞報告のようす
受賞報告のようす

2021年度メンバー
鈴木義人さん(文化政策学科4年)
八木彩樺さん(文化政策学科4年)
小渕康成さん(文化政策学科3年)
高橋明日香さん(文化政策学科3年)
植田勝也さん(文化政策学科3年)
冨田菜々美さん(文化政策学科2年)
森田瑞希さん(文化政策学科2年)

注:報告は2名欠席。

受賞結果

内容 団体名
大賞 地域を超えて支え合う、「お互いさま」が広がるプロジェクト「ヒダスケ!」 岐阜県飛騨市
優秀賞 鎮守の杜再生活動事業 諏訪湖浄化推進「和限」
『CWPだからできること』 ~SDGs達成に向けた取り組み~ 一般社団法人ClearWaterProject
多様なアクターによる環境保全「久留女木の棚田 耕作放棄地再生プロジェクト」 引佐耕作隊
特別賞 中部経済連合会賞 「天然記念物」ヤマネを通じた環境保全活動 尾鷲市立尾鷲小学校
中日新聞社賞 きれいな海を守る心を広げるためのプロジェクト 環境ボランティアサークル亀の子隊
奨励賞 高校生による地方創生活動 静岡県立島田商業高等学校珠算部及び「商品開発」「課題研究」選択者
We can do it ~学びを生かした地域貢献活動~ 中津川市立阿木高等学校
「牛若~鉄人たちの橋の再生物語~」 ウシワカ製作委員会
大賞(1件):賞状、盾、賞金10万円
優秀賞(3件程度):賞状、賞金5万円
奨励賞(3件程度):賞状
特別賞(中部経済連合会賞、中日新聞社賞)

「第22回中部の未来創造大賞」概要

募集内容
1.住民、企業・学校、行政等が工夫して取り組んでいる地域づくりの活動で、以下に該当するもの。
  • 生活・自然環境の保全を行っているもの。
  • 景観の向上を行っているもの。
  • 観光資源として活用しているもの。
  • 地域づくりに関連した情報発信を行っているもの。
  • 資源の再利用を行っているもの。
2.公共施設の整備にあたって、働き方改革やコスト縮減等に有効な新技術、新工法の研究開発を行っているもの。
3.災害時の人命救助、復旧活動や防災に関する活動 伝統的な建造物の保存、復興等を行っている活動
応募条件
  • 長野、岐阜、静岡、愛知、三重の5県内における活動。
  • 特許・著作権等の権利、または、プライバシーを侵害しないもの。
  • 資格・年令等は不問。
  • 再応募可能。(ただし、これまでの「中部の未来創造大賞」にて大賞を受賞された活動は除く)

発行部署:企画室