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2023年10月31日

浜松市民アカデミーに本学教員が登壇しました

浜松市が開催する生涯学習講座「浜松市民アカデミー」に、本学デザイン学科の百束朋浩准教授が講師として招かれ、「時代劇のリアリズム 映像の中の徳川家康」というテーマで講義を行いました。
【日時】2023年10月18日(水曜日)午後7時から午後8時30分
【場所】浜松市地域情報センター・ホール
【対象】浜松市在住(浜松市周辺在住の方も可)の18歳以上の方
講演の様子の画像
59名の受講者を迎え、時代劇が成立するまでの変遷や時代劇にどこまでリアリズムを求めるかについて、実際の映像を参照しながら講義が進められました。
「時代劇」は、明治時代に「立川文庫」(講談の文庫本)を題材に、豪傑や忍者を主人公にしたヒーローものでスタートし、子どもを中心に人気を博しましたが、当時は「時代劇」という名称はありませんでした。大正時代に入ると、概ね江戸時代を扱ったものを「時代劇」と呼ぶようになりました。その後、歴史に忠実に描き出す「歴史映画」、戦意高揚を目的とした「国策的映画」、大衆文学を基にした「大衆時代劇」、明るい作風の明朗時代劇である「鳴滝組的映画」に分かれました。
時代劇では、史実との差異を指摘されることもありますが、そもそも過去の出来事を完全に再現することを目指したものではありません。あまりにも史実に忠実であろうとすると、現代的な感覚から大きく外れてしまい、違和感を覚えることもあります。つまり、時代劇は文字資料を視覚化したドラマであり、ドキュメンタリーではないことを踏まえる必要があります。
講義をする百束准教授の画像
続いて、大河ドラマ「どうする家康」に関連し、時代劇の中での徳川家康の描かれ方について説明がありました。徳川家康公の一般的なイメージとして、「腹の中が読めぬたぬき親父、丸顔、小太り」といったことが挙げられます。一方、誰をドラマの主人公とするかで、善悪が入れ替わることもありますし、「陰湿な野心家」「忍耐の人」「器量のある人」といった描かれ方をする場合もあります。こういった視点で大河ドラマ「徳川家康」(1983)と「どうする家康」(2023)の映像を参照しながら具体的に考察を進めました。
本講座は、「どうする家康」放映中という時流を捉えた内容に、映像学という本学デザイン学科ならではの視点を加えた講義となりました。受講者の皆さまには、今後、テレビで時代劇をはじめとしたドラマを見る際、本日得た新たな知識をもって、様々に楽しんでいただければ幸いです。

発行部署:地域連携室