教員紹介

佐野 由紀子SANO Yukiko

教授

  • 文化政策学部 国際文化学科
キーワード:
日本語、日本語教育
出身地 奈良県
学歴 大阪大学文学研究科博士後期課程単位取得退学
学位 修士(文学)(大阪大学、1996年)
経歴 龍谷大学 非常勤講師(1997年から1999年)
同志社女子大学 非常勤講師(1998年から1999年)
群馬県立女子大学 専任講師(1999年)、助教授(2004年)
高知大学 助教授(2005年)、准教授(2007年)
静岡文化芸術大学 教授(2021年から)
担当授業分野 日本語研究、日本語語彙研究、日本語音声学など
研究分野 日本語学、日本語教育
研究テーマ 現代日本語の文法
研究業績 著書
  • 「多寡を表す形容詞と存在表現について」(森山卓郎・三宅知宏編『語彙論的統語論の新展開』、くろしお出版、2017年)
  • 『現代日本語文法 第2巻 格と構文 ヴォイス』(日本語記述文法研究会編、くろしお出版、2009年)
  • 「多寡を表す形容詞と存在表現について」あり方に関わる副詞としての「よく」について」(益岡隆志・野田尚史・森山卓郎編『日本語文法の新地平1 形態・叙述内容編』、くろしお出版、2006年)
論文・解説
  • 「外国人介護職員の受入れをめぐる地方の課題について-高知県における日本語学習支援を中心に-」『現代日本語研究』第12号、大阪大学日本語学講座現代日本語学研究室、2020年
  • 「日常会話における「程度の甚だしさを表す副詞」の使用実態について-性差の観点から-」『国際社会文化研究』第19号、高知大学人文社会科学部人文社会科学科国際社会コース、2018年
  • 「「多い」の使用条件について」『日本語文法』16巻2号、日本語文法学会、2016年
  • 「「程度差」「量差」の位置づけ―程度副詞の体系についての一考察―」『高知大國文』第39号、高知大学国語国文学会、2008年
  • 「動きに関わる量について-量的程度副詞と動詞との共起関係から-」『高知大國文』第37号、高知大学国語国文学会、2006年
  • 「「もっと」の否定的用法について」『日本語科学』15、国立国語研究所、2004年
  • 「否定の応答付加表現について―「違う」を中心に―」『群馬県立女子大学紀要』第25号、2004年
  • 「程度副詞との共起関係による状態性述語の分類」『現代日本語研究』第6号、大阪大学日本語学講座、1999年
  • 「比較に関わる程度副詞について」『国語学』第195集、国語学会(現日本語学会)、1998年
  • 「程度副詞と主体変化動詞との共起」『日本語科学』3、国立国語研究所、1998年
  • 「程度限定における「主観性」について」『現代日本語研究』第5号、大阪大学日本語学講座、1998年
  • 「程度副詞の名詞修飾について」『大阪大学日本学報』第16号、1997年
その他の活動
  • 「介護分野における技能実習生の日本語教育ガイドライン-第2号技能実習移行のために-」高知県中小企業団体中央会からの委託、2019年
  • 『日本語学大辞典』分担執筆、東京堂出版、2018年
  • 『新版日本語教育事典』分担執筆、大修館書店、2005年
所属学会・団体 日本語学会、日本語教育学会、日本語文法学会
社会的活動 日本語教育学会審査・運営協力員(2023年5月まで)
日本語文法学会学会誌委員(2025年3月まで)

メッセージ

現代日本語の文法の研究をしています。
これまで受けた学校教育の中で、「文法(英文法、国文法)=暗記=苦手」と感じてきた人も多いのではないかと思います。しかし言葉の研究は、暗記するものでも、単に理解するだけのものでもありません。普段私たちが何気なく使っている言葉の中に、どのようなルールが潜んでいるかを考えます。

例えば、「~は」「~が」――小さな子どもでもうまく使い分けるこれらの助詞について、ではどう違うのか?と日本語母語話者に問うと、うまく答えられる人はほぼいません。母語は無意識に学んだものであり、言葉を「話せる」ことと「説明できる」ことは異なるためです。
以下は、上級レベルの外国人日本語学習者の書いた作文の一部です。

    私は〇〇大学の〇〇学部に所属しています。
    現在3年生です。国際金融は私の専門です。
          これからこの分野についての知識をしっかりと身につけていきたいと思っています。

母語話者であれば、下線部分をどのように表現するでしょうか? 恐らく「国際金融が私の専門です。」あるいは、「私の専門は国際金融です。」ではないでしょうか。 では、どうして不自然に感じられるのか、それを規則としてどのように一般化すればよいのか、また学習者にどのように説明すればよいのか、そんな研究をしています。

また、現在は外国人労働者に対する日本語教育にも興味を持っています。特に、地方における介護の分野の技能実習生に対する日本語教育の問題などを調査してきました。 今後は、浜松において、様々な方と関わりながら、地域の日本語教育についても考えていければと思っています。