フェアトレード大学の取組み

フェアトレードとは

「フェアトレード」とは、ヨーロッパを中心に1960年代に広まった、いわゆる開発途上国の農家や手工業者など、立場の弱い小規模生産者の自立と生活改善のため、公正な価格で取引を行う取組です。当初は、女性の手工芸品などの生産が中心でしたが、現在はチョコレート、バナナ、コーヒー、紅茶、ワインなどの食品にも広くひろがっています。1989年に世界フェアトレード連盟(WFTO)が、1997 年にはフェアトレード・インターナショナル(FI)が独自の認証制度を確立したことにより、大手企業などもフェアトレード商品を扱うようになり、フェアトレード市場は急速に拡大しています。

フェアトレードの基準

(世界フェアトレード連盟(WFTO)による)

  1. 生産者に仕事の機会を提供する
  2. 事業の透明性を保つ
  3. 公正な取引を実践する
  4. 生産者に公正な対価を支払う
  5. 児童労働および強制労働を排除する
  6. 性別に関わりなく平等な機会を提供する
  7. 安全で健康的な労働条件を守る
  8. 生産者の資質の向上を目指す
  9. フェアトレードを推進する
  10. 環境に配慮する

フェアトレード大学とは

「フェアトレード大学」とは、大学全体でフェアトレードの推進活動に取り組んでいる大学を認証するものです。世界で初めてフェアトレード大学に認定されたのは、イギリスのオックスフォードブルックス大学で、その後、欧米を中心に170余の大学がフェアトレード大学に認定されています。

日本でも2014年に「フェアトレード大学」の認定制度が作られており、「一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム」が認証機関として,
審査・認定を行っています。

フェアトレード大学の認定基準

(一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムによる)

  1. フェアトレード普及を目指す学生団体が存在する。
  2. フェアトレードの普及を図るキャンペーンやイベント、並びにフェアトレードに関する研究・教育活動がキャンパス内外で行われている。
  3. 大学当局がフェアトレード産品を調達している。
  4. 複数のフェアトレード産品がキャンパス内で購入可能となっている。
  5. フェアトレードの理念を支持し、その普及をうたったフェアトレード大学憲章を策定し、学生自治会(ないし学友会などそれに準ずる組織)、FT普及学生団体、大学当局の三者が同憲章に賛同している。

国内初のフェアトレード大学認定更新

2021年10月27日に一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムによる認定更新の議決を経て、本学の「フェアトレード大学」認定の更新が承認されました。2018年2月1日に国内初の「フェアトレード大学」認定を受けた本学にとって、認定の更新も同じく国内初となります。次回更新期限は2025年1月31日となります。
今回の認定にあたっては、一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムの認定委員による現地調査が2021年9月21・22日に学内等で実施され、SUACフェアトレード推進委員会委員長の副学長をはじめ、担当教員である武田淳准教授、大学当局(事務局)、大学生協、学友会、フェアトレード普及学生団体(りとるあーす、はままつチョコプロジェクト、カスから生まれるプロジェクト)のメンバーが、これまでの取組状況に関してヒアリングを受けました。
認定委員からは、多くの学生がフェアトレードに関心を寄せていること、さらには様々なプロジェクトを学生主導で立ち上げ、かつ能動的な活動を続けられていることなど、学内一丸となった取り組みに対して、高い評価をいただきました。
フェアトレードタウン・浜松に立地する「フェアトレード大学」として、フェアトレードの持続性や多様性に着目した普及活動に引き続き注力していきます。
フェアトレード大学認定更新横断幕画像
フェアトレード大学再認定

フェアトレード大学認定申請までの経緯

静岡文化芸術大学フェアトレード大学憲章の画像
(クリックすると拡大します)

静岡文化芸術大学では、かねてより、フェアトレード学生団体「りとるあーす」がフェアトレード推進活動に精力的に取り組んでおり、学内外で数々のフェアトレード普及キャンペーンを実施してきました。その活動は大学全体にも広がり、大学事務局によるフェアトレード産品の購入や、学内の売店でのフェアトレード産品の販売などが行われるようになりました。

2016年1月には、大学全体で「フェアトレード大学」を目指すことの合意形成がなされ、学生団体と大学によって「静岡文化芸術大学フェアトレード大学憲章」を策定。2017年7月に学長によるフェアトレード支持の意思表明が行われ、同時に「静岡文化芸術大学フェアトレード憲章」が発表されました。そして、9月に「一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム」にフェアトレード大学認定申請を行いました。

フェアトレード憲章発表・意見交換会の様子(2017年7月13日)

フェアトレード憲章発表・意見交換会の様子
フェアトレード憲章発表・意見交換会の様子
フェアトレード憲章発表・意見交換会集合写真

国内初のフェアトレード大学認定

2018年2月、静岡文化芸術大学は国内初となる「フェアトレード大学」に認定されました。
2018年2月6日 浜松市長を表敬訪問し、国内初のフェアトレード大学に認定されたことを報告しました。
写真左から、横山俊夫学長、フェアトレード推進学生サークル 代表の日比野 都麦さん、鈴木康友市長、下澤嶽 文化政策学部教授、 池上重弘副学長の画像
写真左から、横山俊夫学長、フェアトレード推進学生サークル
代表の日比野 都麦さん、鈴木康友市長、下澤嶽 文化政策学部教授、
池上重弘副学長
フェアトレード大学認定証の画像

フェアトレードタウン浜松市とともに

「フェアトレードタウン運動」とは、まちぐるみでフェアトレードの輪を広げる運動のことです。この運動は2000年にイギリスで誕生して以来、今では世界30カ国に広がり、フェアトレードタウンの数も2,000以上に達しています。日本では2011年に熊本市が国内初のフェアトレードタウンの認証を受けて以降、名古屋市、逗子市も認証を受けています。そして浜松市も、2017年11月、日本で4番目のフェアトレードタウンに認定されました。以降、札幌市、いなべ市が認証を受け、国内6つの都市に広がっています。浜松市は、フェアトレードタウンとフェアトレード大学がそろった国内で初めての都市です。今後も本学は浜松市と連携して、フェアトレード推進活動を展開していきます。

フェアトレードタウンはままつについて(浜松市Webサイト)
浜松市はフェアトレードタウンに静岡文化芸術大学はフェアトレード大学になりましたのポスター画像

参考1:「フェアトレード全国フォーラム2019 in Hamamatsu」

2019年11月30日 浜松市と静岡文化芸術大学の共催で「フェアトレード全国フォーラム2019 in Hamamatsu」が開催されました。2017年11月19日「フェアトレード全国フォーラム2017 in Hamamatsu」に続き、2回目の開催となりました。
「フェアトレード全国フォーラム2019 in Hamamatsu」(「はままつフェアトレードタウン・ネットワークWebサイト)
「開催しました!「フェアトレード全国フォーラム2019 in hamamatsu」」(浜松市Webサイト)

参考2:フェアトレード関連の啓発教材など(浜松市発行)

浜松市くらしのセンターで作成し啓発パンフレットや消費者教育教材を消化しています。
教材の紹介(浜松市Webサイト)

参考3:「フェアトレードマップ」(浜松市発行)

浜松市くらしのセンターで作成した市内でフェアトレード商品を購入できるショップを掲載した「フェアトレードマップ」を紹介しています。
フェアトレードマップ(浜松市Webサイト

学内のフェアトレード推進学生団体の紹介

フェアトレード学生団体「りとるあーす」(2011年4月発足)

フェアトレードの啓発と推進を目的に活動している大学の公認クラブ。国際文化学科の下澤教授の声掛けでフェアトレードに関心のある学生が集まり2011年に発足しました。また、学内にフェアトレードの考え方をきちんと広めることを目標に掲げ、学生ラウンジにフェアトレード普及のためのPRブースを大学事務局と共同で設置しています。バレンタインデーに合わせてフェアトレードのチョコを学内で販売を行ったり、大学祭でフェアトレードカフェを開くなど、様々なフェアトレードの啓発活動を行っています。
(顧問:国際文化学科 武田 淳 准教授)
フェアトレード商品を販売している画像
学生ラウンジにあるフェアトレードPRブースの画像
「就労継続支援B型事業所 工房いもねこ」との協働で、富士山をモチーフにしたお菓子「ふじのくにアリエッタ」作成しました(お菓子にはフェアトレード商品のマスコバド糖を使用)。2017年に開催された第8回静岡国際 オペラコンクールにて販売されたほか、2018年に開催された第11回三遠南信しんきんサミットでも販売が行われました。
お菓子「ふじのくにアリエッタ」の写真
新入生ガイダンスでフェアトレードについて説明している写真
新入生ガイダンスでフェアトレードについて説明
フェアトレード産品の無料配布をしている画像
フェアトレード産品の無料配布
学生がフェアトレード産品の無料配布している画像
学生がフェアトレード産品の無料配布している画像

はままつチョコプロジェクト

2018年11月に始動した「はままつチョコプロジェクト」は、フィリピンのカカオ生産者より直接買付けを行い、チョコレートを生産するプロジェクト。3年あまりの活動期間を経て、地産地消を取り入れたフェアトレードチョコレート「ピナショコラ」が2022年1月に完成、販売に至りました。
カカオ生産地訪問の写真
カカオ生産地訪問のようす(2019年2月)
収穫されたカカオの写真
収穫されたカカオ

フェアトレードと地産地消を取り入れたチョコレート

2019年2月に学生9名がフィリピンへ出向き、カカオ栽培の生産者の状況を調査、フェアトレードでフィリピンから輸入したカカオ豆を使うチョコレートを販売し、その利益を生産者へ還元することを目的に活動してきました。 カカオの買い付けにあたっては浜松市内でフェアトレード商品の輸入・販売を取り扱っている団体に、チョコレートの加工・製造、商品開発にあたっては有限会社春華堂にご協力をいただきました。 地元産の食材を使い地産地消に貢献したいとの思いから、「ひかり農園」(西区)で落花生の栽培から収穫までをお手伝い、みかん畑で採れた「長坂養蜂場」(北区)の蜂蜜がパウダー状にかかった「ハチミツ味」と、有機農法で栽培された「茶空民(ちゃくうみん)」(天竜区)の微粉抹茶を使う「お茶味」の2種類が完成しました。また、パッケージの材質にはチョコレートを製造する際に生じる「カカオ豆の皮」が有効活用されており、デザイン学部の学生がカカオ豆をイメージしたパッケージデザインを手掛けました。
地元農家での落花生の収穫風景の写真
地元農家での落花生の収穫風景
浜松市中部協働センターでの活動報告の様子
浜松市中部協働センターでの活動報告

商品情報

フェアトレードチョコレート「ピナショコラ」の画像
【商品名】
ピナショコラ(ハチミツ味・お茶味の2種類)
【価格】800円(税込)
【内容量】8個入り
【企画開発】
静岡文化芸術大学 はままつチョコプロジェクト
【製造】有限会社春華堂
【主な材料】
カカオ、ココナッツシュガー(フィリピン産)
浜松産落花生(ひかり農園:浜松市西区篠原町)
浜松産微粉末茶(茶空民:浜松市天竜区春野町)
三ヶ日産はちみつ(長坂養蜂場:浜松市北区三ヶ日町)

カスから生まれるプロジェクト

コーヒーの皮を使ったお茶の写真
コーヒーの皮を使ったお茶
2020年に発足した本学の教員と学生によるプロジェクトチーム「カスから生まれるプロジェクト」は、中米コスタリカで生産されるコーヒーの果皮を活用した「カスカラティー」を商品開発しました。
中米コスタリカのコーヒーの果皮「カスカラ」の画像
カスカラ

カスカラティーとは

おなじみのコーヒー豆は、コーヒーの実(コーヒーチェリー)の種子にあたります。コーヒー豆を取り出す時に種子の周りにある果皮「カスカラ」は破棄され、市場に出回ることなく大量の生ゴミとなり、その処理が課題となっています。この「カスカラ」を乾燥させてお茶として開発したのが「カスカラティー」です。コーヒーのような苦みがなく、甘みと果実の香りを楽しめます。
カスから生まれるプロジェクトの学生らの写真
カスカラティーのパッケージ写真
武田淳准教授がカスカラティーを説明する画像

商品の特徴

「カスカラティー」の特徴は二つあります。一つ目は、おそらく日本初のフェアトレードカスカラティーであることです。中南米コスタリカのフェアトレードコーヒー生産組合とオンラインでやりとりをし、「フェアトレード・カスカラ」の輸入が実現しました。すべてオーガニックで作られており、安心して飲んでいただけます。
二つ目は、ほうじ茶風のカスカラティーであることです。従来の「カスカラティー」は、乾燥したコーヒーチェリーの果皮をそのまま茶葉として使うため、酸味が強く、非常にクセの強い味になってしまいます。そこで浜松商工会議所に紹介していただいた薗田製茶様(浜松市東区)の協力により、「ほうじ茶」の焙煎方法をまねて「カスカラ」に焙煎を加えるというアイデアにたどりつきました。「カスカラティー」はラテンアメリカと日本文化が融合したお茶といえます。

商品情報

カスカラティーチラシ画像
【商品名】カスカラティー
【価格】650円(税込)
【内容量】32グラム(4グラム、8包)
【販売開始】2022年2月1日

静岡文化芸術大学の取組み

静岡文化芸術大学大学生協では、大学内で実施されるイベント、学会などで食事やパーティの手配のご要望をよくいただいておりますが、ご用意する食事の食材をフェアトレードや地産地消のものを中心にした「フェアトレード・キッチン」も実施しております。今後イベントや学会などを学内で実施される皆様も、ぜひご利用ください。
浜松三方原産 オーガニック秋じゃがのピザ (カレーとしらす)の画像
浜松三方原産 オーガニック秋じゃがのピザ
(カレーとしらす)
浜松ジビエ 鹿肉の串カツの画像
浜松ジビエ 鹿肉の串カツ
すべての料理は、フェアトレードの調味料、スパイスと合わせて、オーガニックな調味料で調理しています。

静岡文化芸術大学生協(学内の売店)で販売されているフェアトレード産品の数々

大学生協で売られているフェアトレード商品の画像
大学生協で売られているフェアトレード商品の画像

フェアトレード商品の学内での普及

卒業証書フォルダ

卒業証書フォルダの写真
卒業証書フォルダを開いた写真
本学後援会から卒業生に対して贈呈している卒業証書フォルダに、2020年度からフォルダの内側の台紙にフェアトレードペーパ−(バナナペーパー)を採用。

教職員名刺

フェアトレード・地産地消教職員名刺の写真
教職員の名刺にフェアトレードペーパー(バナナペーパー)および地産地消ペーパーを導入(選択制)。

大学ノベルティグッズ

大学ノベルティグッズのトートバッグの写真
フェアトレードコットンバッグを採用

「フェアトレード論」の開講(2から4年次/国際文化学科専門科目)

2020年度からフェアトレードに特化した授業「フェアトレード論」を開講しています。
これは「ビジネスを通じた国際協力」をフェアトレードから学ぶ授業です。フェアトレードは、地域の課題解決のための手段ですが、単にフェアトレードの制度や歴史などの知識を学ぶだけでなく、実践活動を意識した企画・立案・評価手法についても学びます。

フェアトレード論の写真

お問い合わせ先: 静岡文化芸術大学 事務局 地域連携室

Tel. 053-457-6105

受付時間: 平日 午前8時30分から午後6時まで(土・日・祝日を除く)

注:フォームからのお問い合わせの際には、回答先のメールアドレスのほか、可能な範囲内で他の連絡先(電話番号など)もあわせてご記入ください。