教員紹介

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稲山 玲INAYAMA Rei

講師

  • 文化政策学部 芸術文化学科
E-mailアドレス inayama@suac.ac.jp
キーワード:
日本現代演劇、天皇制、王権表象、戯曲研究、パフォーマンス研究
学歴 明治大学大学院文学研究科演劇学専攻(2021年)
学位 博士(文学)(明治大学、2021年)
経歴 公益財団法人せたがや文化財団劇場部(世田谷パブリックシアター)営業広報課(2014年から2017年)
明治大学文学部 助手(2018年から2020年)
明治大学 客員研究員(2022年から2023年)
静岡文化芸術大学 講師(2023年から)
担当授業分野 舞台運営論、演劇史II、現代芸術論D
研究分野 演劇学、日本現代演劇
研究テーマ 演劇における王権表象、野田秀樹・井上ひさし等の現代日本劇作家の作品分析
研究業績 著書
  • 「天皇を表象する−野田秀樹『TABOO』における「てんのう」の記号とパフォーマンス」(共著、『Booklet28 Royal Bodies 象徴と実在の間』、慶應義塾大学アート・センター、2020年)
学術論文
  • 「野田秀樹『真夏の夜の夢』における「多層的物語」と「終末論的世界観」」(単著、『西洋比較演劇研究』第16号、西洋比較演劇研究会、2017年)
  • 「『野田版・国性爺合戦』に見る野田秀樹の国家イメージ」(単著、『演劇学論集』第66号、日本演劇学会、2018年)
  • 「野田秀樹『三代目、りちゃあど』における「統治者」「国家」「物語」」(単著、『文芸研究』第136号、明治大学文学部、2018年)
  • 「野田秀樹『透明人間の蒸気』における「終わらない終わり」と天皇制」(単著、『西洋比較演劇研究』第18号、西洋比較演劇研究会、2019年)
  • 「一九八〇年代の野田秀樹と『石舞台星七変化』三部作」(単著、『文芸研究』第140号、明治大学文学部、2020年)
  • 「野田秀樹『贋作・桜の森の満開の下』の国家形成に見られる「二項対立構造」と「円環運動」」(単著、『近現代演劇研究会』第9号、近現代演劇研究会、2020年)
  • 「『夢の痂』に見る井上ひさしの天皇観」(単著、『西洋比較演劇研究』21号、西洋比較演劇研究会、2022年)
書評・新刊紹介
  • 「新刊紹介:井上理惠著『清水邦夫の華麗なる劇世界』」(『演劇学論集』第72号、日本演劇学会、2021年)
  • 「新刊紹介:後藤隆基編『小劇場演劇とは何か』」(『演劇学論集』第75号、日本演劇学会、2022年)
所属学会・団体 日本演劇学会、西洋比較演劇学会、時代考証学会、日本近代演劇史研究会

メッセージ

「王権表象」をテーマに、野田秀樹、井上ひさしといった、戦後日本の劇作家たちが生み出した作品群を研究しています。関心の中心にあるのは「演劇において天皇制はどのように描かれてきたか」という問題です。フィクション内で天皇を直接描くことは長い間タブー視されてきました。特に演劇は生身の身体を用いる芸術ですので、天皇本人を登場させることは演劇特有の困難さを伴います。そうした描かれ得ない存在(近年では天皇役が直接舞台に登場する例もありますが)を演劇人たちはどう描いてきたか。何を伝えようとしたのか。そのことを調べたり、考えることが私にとってとても刺激的なのです。

あらゆる芸術がそうであるように演劇は社会的な芸術です。作品が上演される場所の特性、制作環境、そして上演当時の社会的問題などが、必然的に作品に影響します。したがって、演劇を研究する私たちは、演劇作品そのものについて学ぶとともに、作品の背景や周囲にあるものについても真剣に学ぶ必要があります。

演劇について深く考えることは、社会について深く考えることです。その学びはきっと、自分が生きる世界について自分なりの視点で考える力を与えてくれるはずです。