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教員紹介

武田 好TAKEDA Yoshimi
教授
- 文化政策学部 国際文化学科
- 大学院 文化政策研究科
イタリア語、ヴェリズモ・オペラ、マキァヴェッリ、君主論
出身地 | 大阪府 |
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学歴 | 大阪外国語大学大学院外国語学研究科イタリア語学専攻修了(1987年) |
学位 | 修士(文学)(大阪外国語大学、1987年) |
経歴 |
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担当授業分野 | イタリア語、イタリア文化史、ルネサンス文化史 |
研究分野 | イタリア語、イタリア文化 |
研究テーマ |
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研究業績 | 著書・訳書
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受賞歴 | 第10回ピーコ・デッラ・ミランドラ賞共同受賞(『マキァヴェッリ全集』筑摩書房、2000年) |
所属学会・団体 | 日本イタリア学会、地中海学会、伊日研究学会(AISTUGIA) |
社会的活動 | 日本イタリア学会評議員(2018年から2021年) |
メッセージ
大学院生の頃に初めてイタリアに留学しました。そのとき文化遺産を活用した文化の発信力に圧倒されたことを覚えています。ピサの斜塔から吊り下げされた長さ40mのネクタイ、映画「ローマの休日」で有名なスペイン階段を舞台とするファッションショー、古代ローマ遺跡で上演されるオペラやコンサート。言葉の面では、たとえば、「国」をあらわす語が paese, comune, città, nazione, stato などいくつもあって、それぞれに歴史的背景があり、異なるイメージを持って使い分けられていることに興味を持ちました。言葉は文化であり、歴史を知ると今ある生活はさらに豊かになることを実感しました。
言葉と文化と歴史の関係を紐解きながら、《godersi la vita(生を享受せよ)》をモットーに、イタリア語を始めてみませんか?
帰国後、イタリア語を使って通訳や翻訳の仕事をするようになりました。ちょうどバブル期でイタリアブームが続いたこともあり、商社や百貨店、メーカー(アパレル、繊維機械、インテリア、工業製品、医薬品など)の経済交流を間近で見ました。一方、大学の教壇ではイタリア語クラスを担当してテキスト作りに励みました。1998年から担当したNHKラジオ講座は、留学期と帰国後の実体験が基になっています。
さて、国家について語るとき、政局が云々されるとき、しばしば登場するのがマキァヴェッリの『君主論』です。マキァヴェッリはルネサンス期の栄華を誇るフィレンツェ国の外交官でした。彼の外交文書を翻訳する機会を得たことから、当時の外交関係に深く関心を寄せています。
ひるがえって、現在のイタリアは世界最多の世界遺産を有する観光立国です。イタリア統一後の約一世紀の間におよそ2600万人の移民を送り出し、1970年代を境に移民受け入れ国に転じた、「移民送出国」と「移民受け入れ国」の経験を持つ主要国でもあります。世界に広くイタリア系移民のコミュニティが存在し、イタリア語は、英語、スペイン語、フランス語、中国語とともに多く学ばれています。
イタリア語を学ぶことは文化と芸術にダイレクトに結びついています。学びの切り口は、芸術、デザイン、EU、観光、移民、キリスト教、都市、食文化と多様です。ヨーロッパを基軸とする価値観を知り、私たちの持つ日本文化を背景に、いま世界で起きていることを俯瞰できる力をつけていきましょう。言葉と文化と歴史の関係を紐解きながら、《godersi la vita(生を享受せよ)》をモットーに、イタリア語を始めてみませんか?