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教員紹介

田ノ口 誠悟TANOKUCHI Seigo
講師
- 文化政策学部 芸術文化学科
- 大学院 文化政策研究科
西洋演劇史、戯曲翻訳論、ドラマトゥルク、国際舞台芸術交流
出身地 | 福岡県 |
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学歴 | パリ・ナンテール大学大学院文学・言語・舞台芸術研究科「芸術と表象の歴史」コース博士課程修了(2019年) |
学位 | 博士(舞台芸術学)(パリ・ナンテール大学、2019年) |
経歴 | 早稲田大学演劇博物館GCOE研究生(2009年から2012年) フランス政府給費留学生(2010年から2012年) 日本学術振興会特別研究員DC2(2012年から2014年) 文京学院大学外国語学部 非常勤講師(2017年から2022年) 日本学術振興会特別研究員PD(2022年から2024年) 静岡文化芸術大学 講師(2024年から) |
資格 | DALF C1(Diplôme approfondi de langue française C1) フランス語教育海外研修修了資格(ブザンソン応用言語学センター、2020年) |
担当授業分野 | 演劇史I、文化と芸術A、芸術特論B など |
研究分野 | 演劇学、西洋演劇史、フランス語圏諸国の演劇・舞台芸術 |
研究テーマ | 劇作家ジャン・ジロドゥ、近現代フランスの劇作法・演出法、俳優論、海外戯曲の翻訳と上演 |
研究業績 | 著書
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受賞歴 |
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所属学会・団体 | 日本演劇学会、日本フランス語フランス文学会、西洋比較演劇研究会、日仏演劇協会、早稲田大学演劇映像学会 |
社会的活動 | 日仏演劇協会実行委員(2016年から2022年、2024年から現在) 日本フランス語フランス文学会関東支部論集編集委員(2023年から2024年) 第70回浜松市芸術祭 はままつ演劇フェスティバル2024 自主公演審査員 |
メッセージ
西洋演劇、特にフランスの演劇や舞台芸術を研究しています。
中でも専門的に研究して来たのは、20世紀初頭の仏劇作家ジャン・ジロドゥの作品とその上演です。ジロドゥは現在でも劇団四季などで頻繁に上演される、水の妖精の悲恋を描いた戯曲『オンディーヌ』で広く知られた作家ですが、外交官でもありました。仏外務省で彼は今日につながる文化外交の礎を作り、第二次世界大戦時には政府情報局総裁としてナチスの国家プロパガンダに対抗しました。ジロドゥの演劇作品には、そんな彼の国際主義の思想や美意識が反映されています。彼はその戯曲で、古代ギリシャ人から中世ゲルマン人、南洋ポリネシアの人々まで世界各国の民族、文化を描き、それらの作品を演出家ルイ・ジューヴェと共に、全ヨーロッパ、南米・北米、北アフリカ諸国の各都市で上演しました。私はこの国際演劇、世界演劇の実践を、当時のフランスにおける国際文化交流の発展や、平和主義思想の流行の観点から分析して来ました。
このような研究と同時に、フランス語戯曲の翻訳家、および演劇上演のアドバイザーであるドラマトゥルク(劇場文芸担当)として演劇創造の現場で活動しています。これまで、フランス、ベルギー、スイスといったフランス語圏各国の作家、作品を様々な劇場で紹介して来ました。それらの作品は移民や宗教対立といった当地の社会問題を描いていましたが、いずれも客席の皆さんの深い共感を呼び、演劇がただの芸術、娯楽ではなく、異文化理解のツールとしても有益であることを体感しました。
浜松は、アクトシティ浜松をはじめとした多くの劇場施設、演奏施設を持ち、舞台芸術がとても盛んな街です。同時に、国際交流や国際化の実現に力を入れています。そのような街にある静岡文化芸術大学で、演劇に、国際交流に興味を持つ学生の皆さんと出会い、共に学んで行きたいと思っています。