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教員紹介


加藤 裕治

KATO Yuji
 

教授

文化政策学部 文化政策学科
大学院 文化政策研究科

E-mailアドレス y-kato@suac.ac.jp

キーワード:文化社会学、メディアと地域の関係、映像文化、消費社会
出身地 愛知県
学歴 千葉大学社会文化科学研究科博士課程修了(2002年)
学位 博士(学術)
経歴 株式会社文化科学研究所(2004年から2012年)
早稲田大学プロジェクト研究所 文化社会研究所 招聘研究員(2008年から2012年)
静岡文化芸術大学准教授(2012年)、教授(2017年から)
担当授業分野 マスコミュニケーション論、メディア文化論、情報社会論 など
研究分野 マスメディアの歴史的研究(新聞研究)、文化社会学、メディア論
研究テーマ メディア(文化)が社会に与える影響、メディアのテキスト分析/受容研究 など
研究業績 著書
  • 『映像文化の社会学』(共著、長谷正人編、有斐閣、2016年)
  • 『全訂新版 現代社会を学ぶ人のために』(共著、井上俊編、世界思想社、2014年)
  • 『無印都市の社会学』(共著、近森高明・工藤保則編、法律文化社、2013年)
  • 『3.11後の思想家25』(共著、大澤真幸編、左右社、2012年)
  • 『フラットカルチャー 現代日本の社会学』(共著、遠藤知巳編、せりか書房、2010年)
  • 『文化社会学入門−テーマとツール−』(共著、井上俊・長谷正人編、ミネルヴァ書房、2010年)
  • 『アンチ・スペクタクル』(共訳、中村秀之・長谷正人編、東京大学出版会、2003年)

論文・解説
  • 「地域との関係のなかで形成される放送人のアイデンティティ-NHK、ラジオ・ファーム・ディレクター(RFO)の聞き取り調査から」(舩戸修一、武田俊輔、祐成保志との共同執筆、『東海社会学年報』第8号、東海社会学会、2016年)
  • 「NHK『明るい農村(村の記録)』制作過程と「農業・農村」へのまなざしの変容-番組制作者に対する聞き取り調査をもとに」(舩戸修一、武田俊輔、祐成保志との共同執筆、『マス・コミュニケーション研究』85、日本マス・コミュニケーション学会、2014年)
  • 「「広告」から「口コミ」へ~現代消費文化と消費をめぐるコミュニケーションの行方」(『コミュニティ形成におけるメディア経験と語り』、千葉大学社会文化科学研究科研究プロジェクト報告書、2006年)
  • 「「事実」を「制度」化するニュース -明治期の二つの犯罪報道をめぐって-」(『年報社会学論集』第13号、関東社会学会、2000年)
  • 「新聞報道の誕生 -西南戦争をめぐる報道からの考察-」(『社会学評論』第49巻2号、日本社会学会、1998年)
所属学会・団体 日本社会学会、関東社会学会、東海社会学会、日本マス・コミュニケーション学会

 

メッセージ

メディアの歴史研究から、現代社会とメディア文化の関係を捉え直す

私は、これまで主に明治時代の新聞(史)を研究対象としてきました。こう書くと多くの人が、ジャーナリズムや政論形成=公共性の研究を思い浮かべるかもしれません。しかし、私は新聞がそうした役割に限定されない多義的な役割を持つ、文化変容の担い手としての“メディア”であると考えてきました。

新聞史を研究すると、新聞が単に政治(や経済)の情報媒体として受容されるだけではないことがわかります。新聞は人々に「いつもと違う世界=非日常性」を日々垣間見せることで、啓蒙的でありつつ、人々の好奇心をかき立てるものでもあったのです。そしてその積み重ねが、結果として人々の日常文化を変化させてしまう。新聞はそのような役割を果たした“メディア”であったのです。

例えば、明治の日清・日露の戦争報道をみると、単に戦況を伝える目的だけではなく、大陸の生活や文化への興味を喚起する記事が散見されます。また市井の事件は、事件の発生が報じられるだけでなく、その事件に関与する人々の人生物語への興味に満ちています。また甲子園を頂点とする高校野球が、そもそも新聞社のイベントとしてスタートしたことはよく知られています。私達に深く浸透しているスポーツ文化は、メディアイベントとして誕生し、発展してきたのです。

こうした“新聞メディア”の歴史は、一方でセンセーショナリズムや商業主義として批判されがちです。しかし批判とは裏腹に、こうしたメディアのあり方が人々の興味や関心を引き起こし、人々の日常文化やものの見方を大きく変容させていったといえます。

更に重要なのは、こうした歴史的なメディア研究は、現代社会のメディアと文化の関係を理解していく上で強力なツール=方法になるということです。現代社会 はかつてないスピードでメディアと文化の関係を変化させています。G.アンデルスという思想家は、現代技術の変化のスピードは、それを産み出している人間 自身がその意味を理解するよりも遥かに速く進むことを指摘しました。現代における人間と社会の自己理解の不透明さをクリアにしてくれる鍵は、歴史的なメ ディア/文化研究の方法の中にあると私は考えています。このツール=方法を身に付けつつ、一緒に社会、文化、メディアの研究へと乗り出しましょう!