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教員紹介

出身地 | 静岡県 |
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学歴 | 慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了(2001年) 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学(2004年) |
学位 | 修士(経済学)(慶應義塾大学、2001年) |
経歴 | 慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センター 研究員(2009年から2010年) 東洋英和女学院大学国際社会学部 嘱託専任講師(2011年) 独立行政法人国立高等専門学校機構 特命准教授(2012年) 文部科学省科学技術・学術政策研究所 上席研究官(2013年から2017年) 文部科学省総合教育政策局調査企画課 学力調査分析専門職(2018年から2020年) 静岡文化芸術大学 准教授(2021年から) |
担当授業分野 | 社会統計分析、地域福祉論、公共デザイン戦略、リサーチ&プランニング応用など |
研究分野 |
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研究テーマ |
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研究業績 | 著書
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受賞歴 | 第11回 日本人口学会優秀論文賞(2008年) 平成29年度 科学技術・学術政策研究所長賞(2017年) 平成30年度 研究・イノベーション学会論文賞(2018年) |
所属学会・団体 | 研究・イノベーション学会、日本人口学会 |
社会的活動 | 研究・イノベーション学会業務理事(2016年から2018年) 文部科学省高等教育局大学振興課「卓越大学院プログラム構想推進委託事業」技術審査委員長(2017年) 研究・イノベーション学会業務委員(2019年から) 研究・イノベーション学会評議員(2020年) |
メッセージ
ライフコース研究の視点
人口学研究(Population studies)や労働経済学では、近年、ライフコース研究の視点を取り入れた形で発展しています。多様でダイナミックな人生を「コホート(同一出生集団)」という概念で連続的に捉えることがその特徴です。
コホートの継続的な変化や社会変動を捉える研究には、長期的に個人などの調査対象を追跡したパネルデータが必要ですが、私が研究をスタートした頃に日本でもようやく世帯を対象にした「家計パネル」が始まりましたので、このデータを用いて女性の就業と家族形成(結婚、出産等)の関係や世帯内の資源配分について分析を行っていました。また、高額納税者という特徴的な集団を対象とした世帯調査を実施し、家族形成の世代的な変化について、興味深い知見を導くこととなりました。
ライフコースという視点や分析技法は、その後も私の研究の根幹となっています。省庁の科学技術系の研究所においては、現在の日本で研究力が低迷する要因の一つが、若手研究人材のキャリアパスの不透明さにあるとされ、国の基本計画の策定や補助事業の実施に必要なエビデンスが求められていました。そこで「博士課程の同年修了者コホート」を対象にした『博士人材追跡調査』を開始し、博士の就業や研究状況を継続的に捉えることを試み、研究分野ごとの違いや、女性博士の状況などについても明らかにしました。
またスーパーサイエンスハイスクールという理科教育の重点支援を目的にした文部科学省の補助事業の効果検証では「学校パネル」を構築し、指定校となっている期間を連続的につなげたデータによって、理系進学率を指標とした効果分析を行っています。
現在、私が最も関心を持っているのは、家族のライフコースという視点で、地域福祉を捉えることです。福祉制度による公的支援、営利目的の福祉ビジネス、プライベートな芸術・スポーツ活動までを地域福祉の範囲とし、これらの地域資源の有無やアクセスの容易さが、支援対象者を持つ家族のライフコースに影響を及ぼすことをデータから明らかにし、地域福祉の充実につなげて行きたいと考えています。