教員紹介

徳増 克己TOKUMASU Katsumi

准教授

  • 文化政策学部 国際文化学科
出身地 千葉県
学歴 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学(1999年)
学位 修士(学術)(東京大学、1991年)
経歴
  • 静岡文化芸術大学講師(2000年)、助教授(2005年)、准教授(2007年から)
担当授業分野 近現代の中東、イスラーム概論、ナショナリズム論、中東現代史 など
研究分野 アゼルバイジャン近現代史
研究テーマ 20世紀前半のアゼルバイジャン政治史
研究業績 論文・解説
  • 但野教仁名義「ナゴルノ・カラバフ問題とイラン」(『イランの対中央アジア外交政策』、中東調査会、1995年)
  • 「イランとソ連の狭間で―アゼルバイジャン国民政府の一年」(『解放の光と影1930年代から40年代』岩波講座世界歴史第24巻、岩波書店、1998年)
  • 翻訳:マスード・カールシェナース「革命以降のイランにおける石油と経済発展」(原隆一・岩崎葉子編、『イラン国民経済のダイナミズム』、日本貿易振興会アジア経済研究所、2000年)
  • 「アゼルバイジャン語」(小杉泰・林佳世子・東長靖編、『イスラーム世界研究マニュアル』、名古屋大学出版会、2008年)
所属学会・団体 日本中東学会

 

メッセージ

自己紹介にかえて

中学時代のイランでの革命をきっかけに中東地域とイスラームに関心を持つようになりました。学部学生時代に中東地域の研究を志すようになりましたが、上記の経緯もあり当初はイラン史研究を目指していました。

大学院進学後、イラン国内に占めるアゼルバイジャン人人口の多さとその歴史的役割の重要性に気づき、折からのソ連解体過程におけるコーカサス地域での民族紛争の激発とも相俟って、現行の国境線にとらわれることなくアゼルバイジャン語の話者が暮らす地域の歴史について研究をすることで民族/国民などに関わる問題全般を考える際のヒントが得られるのではないかと思い至りました。その際に目をつけた人物がロシア革命直後のアゼルバイジャンの国家元首でイラン・トルコ両国でも活躍したラスールザーデであり、この人物の足跡をたどることで1世紀近く前のこの地域の民族形成・国民国家形成などの問題について研究していこうと決意しました。その後、トルコ共和国への留学経験により、現行の国境を越えた人的なネットワークの分析の重要性を再認識することとなりました。

本学では、イスラームに関する講義やアラブ地域やバルカン半島に関する授業をも担当することとなったため、以前より一段と広い視野からものを見ることができるようになりました。本学で日々感ずることは、中東やイスラームについて日本人はあまりにも知らなさすぎるということです。古代文明以来、常に多民族・多宗教の複雑な社会を形成してきた中東地域ですが、未だ中東はアラブ人のイスラーム教徒一色の世界という平板なイメージを持っている人が多いのは残念です。他方、民族や既存の国家を確固たるものと考えがちな日本人の思考法ではこの地域のことは理解できません。授業には以上のことに留意して臨んでいますが、学外の方でこの地域をどう捉えたらよいのかわからないという方はお気軽にお問い合わせください。