教員紹介

丹羽 哲矢 准教授写真

丹羽 哲矢NIWA Tetsuya

准教授

  • デザイン学部 デザイン学科(建築・環境領域)
  • 大学院 デザイン研究科
E-mailアドレス t-niwa@suac.ac.jp
キーワード:
設計理念、デザイン手法、設計プロセス
 
出身地 愛知県名古屋市
学歴
  • 京都大学大学院工学研究科博士前期課程 建築学専攻 修了(1996年)
  • 京都大学大学院工学研究科博士後期課程 生活空間学専攻 研究指導認定(2005年)
学位 修士(工学)(京都大学、1996年)
経歴
  • 株式会社久米設計(1996年から2008年)
  • 一級建築士事務所clublab.代表(2008年から)
  • 静岡文化芸術大学准教授(2021年から)
資格 一級建築士、専攻建築士(統括設計)、宅地建物取引主任者
担当授業分野 空間とデザイン、建築設計総合演習、ランドスケープ計画
研究分野 建築設計、空間デザイン、地域・都市・ランドスケープ計画
研究テーマ 建築設計における設計理念の形成と評価
研究業績 著書
  • 『世界都市史辞典』(共著、昭和堂、2019年11月)
  • 『世界住居誌』(共著、昭和堂、2005年12月)
論文・解説
  • 『愛知産業大学工業高等学校 伊勢山校舎』(共著・共同設計、「造形学研究所報13号」愛知産業大学造形学研究所 研究作品、pp.7-9、2017年3月)
  • 『共住住居(シェアハウス)の設計手法に関する研究』(共著、「住宅総合研究財団研究論文集 No.32」、pp.189-200、2006年3月)
作品・プロジェクト
  • 新生東志賀保育園 幼児園舎(2023年)
  • 瑞穂の住宅 The Secret Base(2022年)
  • 吉田病院(2019年)
  • コンフォートホテル伊勢(2018年)
  • 愛知産業大学工業高等学校伊勢山校舎(2015年)第48回中部建築賞入賞
  • イーオン中部本校ビル(2014年)
  • 各務原リハビリテーション病院(2011年)
  • 清須の住宅 Wall off the Space(2015年)グッドデザイン賞2016
  • 黒部の住宅(2015年)
  • 中村の住宅改修(2015年)
  • 妙用寺庫裏(2014年)
  • 稲沢の住宅 Stage(s)(2012年)第45回中部建築賞入選
  • 豊田の住宅 Qualia(2009年)第46回中部建築賞入選
  • 千種の住宅 Horn House(2009年)
  • 岩槻の住宅(2004年)
  • 法然院の家(2003年)
受賞歴
  • 第48回中部建築賞 入賞(2016年)
  • グッドデザイン賞(2016年)
  • 錦江町総合交流センター基本計画策定業務 公募型プロポーザル 優秀賞(2016年)
  • 第46回中部建築賞 入選(2014年)
  • 第45回中部建築賞 入選(2013年)
  • 第25回すまいる愛知住宅賞 名古屋市住宅供給公社理事長賞(2013年)

以上、clublab. 代表として

  • (仮称)木曽川文化会館設計プロポーザル(公募型)最優秀設計者(2007年)
  • 浪速複合施設公開設計競技 優秀賞(2002年)
  • 播磨町全天候型多目的広場設計競技 最優秀賞(2001年)
  • 泉佐野市営松原第1団地住宅建替事業設計競技 最優秀作品(2000年)
以上、久米設計在籍時 担当として
所属学会・団体 日本建築学会、日本建築設計学会、愛知建築士会
社会的活動 日本建築学会 設計競技支部審査員(2018年から2019年)
愛知建築士会 常務理事(2022年から)
愛知建築士会   学生コンペ委員会 副委員長(2012年から)
愛知建築士会   名古屋名東支部 相談役(2022年から)
愛知建築士会 名古屋名東支部 監事(2018年から2022年)
愛知建築士会 名古屋名東支部 支部長(2016年から2018年)

メッセージ

現在の研究テーマ

現在「建築設計における設計理念の形成と評価」を研究テーマとしています。これは地域への貢献施設となる建築物の計画過程において、設計理念の共有が重要と考えているからです。建築デザインという行為には、理論的かつ構築的な部分と、直感的で不連続な部分という、相反する要素があります。建築という実態としてまとめ上げるためには、理論的な要素と直感的な要素を統合する設計理念を掲げ、それに基づいて空間や機能やイメージが全体を作り上げる必要があります。このような設計行為を分析し、その本質を設計手法として、再構築したいと考えています。

模型を利用した設計手法

設計行為の分析から見出している手法の一つが、設計理念を理論的かつ構築的に設定しつつ、建築の形態や特徴となる造形言語そのものは、模型を中心とした検討により生み出し、理念と形態が相互に影響しあって、案が更に深まるよう作り上げていく方法です。この手法では設計プロセスにおいて、それまでの検討とは不連続でありながら、劇的な建築的解決に出会う瞬間があります。これら建築的瞬間がいかなるプロセスの経過から生まれるかを洞察し、明らかにしようとしています。

設計業務における地域への働きかけ

設計理念の合意形成には色々な立場の人々のプロジェクトへの参加が欠かせません。さまざまな意見が多面的に出されることで設計理念が満たすべき範疇は広がりますが、一見矛盾するような与条件や設定の中から思いもかけない、よい提案が生まれることもあリます。また、計画の初期段階から様々な協議を重ねることで、敷地内に留まらず、地域全体の計画に波及する内容を盛り込むことも可能です。

魅力あるデザインを具現化する人材の育成
デザインは社会的存在であるため、社会や施主(発注者)の要望を理詰めで考えて解決し説明する必要がありますが、それら要望を満たせばデザインができあがるわけではありません。それら要望を超越した魅力があって初めて「デザイン」足り得る、と設計活動に取り組んでいます。理屈で説明できない直感的で情動的な魅力を内包したモノを創造していくことを、自らの設計行為で重視しているのは、社会が成熟し、人々の思考が変化する中で、求められているデザインが本来の芸術的魅力を兼ね備えた存在に戻りつつあると実感しているからであり、このような魅力ある建築をヴィジョンとして示すことができ、多くの人々の協力を引き出せるような人材を育てて行きたいと考えています。
丹羽先生作品