教員紹介

佐伯 康孝 准教授写真

佐伯 康考SAEKI Yasutaka

准教授

  • 文化政策学部 国際文化学科
E-mailアドレス y-saeki@suac.ac.jp
キーワード:
多文化共生、移民政策、外国人労働者、教育経済学、SDGs/ESG
出身地 愛知県
学歴 関西学院大学大学院経済学研究科博士後期課程修了(2016年)
学位 博士(経済学)(関西学院大学、2016年)
経歴 東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室特任助教
大阪大学大学院国際公共政策研究科特任准教授
などを経て2022年4月より現職
担当授業分野 多文化共生論、国際労働力移動論、英語コミュニケーション
研究分野 国際的な人の移動研究(Migration Studies)
研究テーマ 「生活者」と「労働者」としての技能実習生・特定技能外国人材、日本語教育が必要な児童生徒の教育課題
研究業績 著書
(単著書籍)
  • 『国際的な人の移動の経済学』(明石書店、2019年3月)
(共編著・分担執筆)
  • 『グローバルな公共倫理とソーシャル・イノベーション(大阪大学大学院国際公共政策研究科稲盛財団寄附講座企画委員会編)』(第6章「教育におけるソーシャル・イノベーション-教育経済学の視点から-」、pp.76-89、金子書房、2018年3月)
  • 『街に拓く大学-大阪大学の社学共創(永田靖・佐伯康考編)』(第8章「社会と大学の共創によるソーシャル・イノベーション」、pp.229-245、大阪大学出版会、2019年3月)
  • 『グローバリズムと公共政策の責任第3巻-自由の共有と公共政策の役割-』(第8章「国際的な人の移動の潜在力と持続可能な移民政策」、pp.205-236、大阪大学出版会、2019年10月)
  • 『新しい多文化社会論-共に拓く共創・協働の時代-』(第10章「多文化共創による持続可能な社会開発」、pp.145-161、東海大学出版会、2020年2月)
  • 『多文化共創社会への33の提言』(第6章「SDGs「行動の10年」における大学の役割」、pp.136-140、都政新報社、2021年4月)
論文・解説
  • 「地域労働市場の需給ミスマッチと外国人労働者の動向-日系人、新日系人及び技能実習生をめぐって-」(佐伯康考、関西学院大学経済学部研究会『経済学研究』、No.45、pp.21-42、2014年12月)
  • 「日本から新興国への高度人材移動に関する経済学的研究」(佐伯康考、関西学院大学産研論集、No.42、pp.83-95、2015年03月)
  • 「ASEAN経済統合下における日系企業の人材現地化及び人材移動に関する経済学的考察」(佐伯康考、移民政策学研究、No.7、pp.86-99、2015年5月)
  • 「地域労働市場の需給ミスマッチとアグロメレーションに関する経済学的考察-不均衡モデルを用いた理論的及び実証的分析-」(佐伯康考、関西学院大学経済学部研究会『経済学研究』、No.46、pp.59-77、2015年12月)
  • 「定住外国人の子どもの高校進学についての経済学的考察」(佐伯康考、関西学院大学経済学部研究会『経済学論究』、関西学院大学経済学部研究会、Vol.70、No.2、pp.37-56、2016年9月)
  • 「大学を核とした共創まちづくり」(佐伯康考・森栗茂一・中尾聡史、実践政策学、Vol.5、No.1、pp.31-36、2019年7月)
  • 「在留外国人のロケーションチョイスの現状と展望」(佐伯康考、日本住宅会議、vol.107、pp.23-27、2019年10月)
  • 「外国にルーツを持つ子どもたちの教育課題 -誰一人取り残さない日本社会の実現に向けて」(佐伯康考、「地方議会人」、全国町村議会議長会・全国市議会議長会、2019年12月号、pp.22-26、2019年12月)
  • 「外国にルーツを持つ子どもの教育」(佐伯康考、児童心理学の進歩、Vol.59、pp.135-150、2020年6月)
  • 「コロナ禍における多文化ソーシャルビジネスの課題」(佐伯康考、国際人流、vol.33(11)、pp.12-17、2020年11月)
  • 「日本語教育が必要な児童生徒の教育課題」(佐伯康考、一般社団法人自治体国際化協会多文化共生ポータルサイト、コラム「多文化共創とコミュニティ」、2022年3月)
  • 「我が国に在留する中国人の特徴の変遷について」(志甫啓・佐伯康考、『国際学研究』、関西学院大学国際学研究フォーラム、Vol.7、No.2、pp.101-117、2023年3月)
  • 「日本語指導を必要とする児童生徒の教育課題の変容-多様化・複雑化する教育課題-」(佐伯康考、『経済学論究』、関西学院大学経済学部研究会、Vol.76、No.4、pp.31-49、2023年3月)
外部研究資金獲得実績
  • 一橋大学経済研究所2022年度共同利用・共同研究拠点プロジェクト「外国人労働者にかんする「証拠に基づく政策立案」のための実証研究」(研究代表者、2022年から2023年)
  • トヨタ財団2021年度 特定課題「外国人材の受け入れと日本社会」「科学的根拠に基づいた外国人材政策立案のための共創プラットフォーム」(連絡責任者、2022年から2025年)
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究「国際移民の社会統合に関する公共政策研究-人の国際移動のトリレンマを超えて-」(研究代表者、2021年から2024年)
  • 一橋大学経済研究所 2021年度 共同利用・共同研究拠点プロジェクト「外国人労働者にかんする「証拠に基づく政策立案」のための実証研究」(研究代表者、2021年から2022年)
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)「国際移民の統合に関する実証分析と理論的制度設計に基づく地域社会実装研究」(研究分担者、2021年から2027年)
  • 一般社団法人日本アスペン研究所「小林陽太郎奨学金」(Socrates Program 2019 "The Spiral of Immigration and Nationalism"派遣)
所属学会・団体 移民政策学会
社会的活動
  • 磐田市多文化共生社会推進協議会・会長(2022年から現在)
  • 掛川市多文化共生社会推進協議会・会長(2022年から現在)
  • 浜松市外国人子供支援協議会・座長(2022年から現在)
  • 浜松外国人材活躍宣言事業所認定委員会・委員長(2022年から現在)
  • 静岡県多文化共生審議会・委員(2022年から現在)
  • 第11次静岡県職業能力開発計画検討委員会・委員(2022年から現在)
  • 浜名湖花博20周年記念事業実行委員会・委員(2022年から現在)
  • 一般財団法人日伯交流協会・理事(2022年から現在)
  • 移民政策学会常任理事・国際交流委員長(2021年から現在)
  • 国際メトロポリス会議2016 愛知・名古屋 実行委員(2015年から2016年)

メッセージ

国際的な人の移動については「外国人が増えると仕事が奪われる・治安が悪くなる」といった科学的根拠のない感情的議論が世界中で広がっています。感情論ではなく、科学的根拠(エビデンス)に基づいた外国人材政策立案に貢献するべく、経済学的な手法を中心としつつ学際的にアプローチしています。

例えば日本人と外国人では賃金格差が大きいという先入観を持ちがちですが、私たちの研究チームが厚生労働省から匿名個票データ提供を受けて実施した予備的分析では、日本人労働者と外国人労働者の間に賃金差は存在するが、その差は、年齢や教育年数、性別等の個人属性をコントロールするとかなり小さくなることが明らかになりました。つまり、日本人労働者と外国人労働者間の賃金差は確かに存在するものの、その差は労働者個人の属性に大きく起因すると解釈できます。

まずはフィールドに足を運んで一次情報を得る一方、政府統計などのマクロデータを用いた分析も行うことで、トライアンギュレーション(方法論的複眼)を通じた国際移民研究の新たな地平を切り拓き、持続可能な未来共生社会の実現に貢献したいと思っています。