教員紹介

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田中 裕二TANAKA Yuji

准教授

  • 文化政策学部 芸術文化学科
E-mail アドレス : y-tanaka@suac.ac.jp
キーワード:
企業と文化、芸術支援、博物館運営・経営、博物館学
出身地 札幌市
学歴 慶應義塾大学大学院文学研究科美学美術史学専攻アート・マネジメント分野修了
学位 博士(歴史学)(法政大学、2021年)
経歴 東京都江戸東京博物館専門調査員(1999年から2004年)
東京都生活文化局文化振興部行政研修(2013年から2014年)
江戸東京たてもの園学芸員(2014年から2015年)
東京都江戸東京博物館学芸員(2004年から2020年)
学習院女子大学非常勤講師(2014年から2019年)
神奈川大学非常勤講師(2014年から2019年)
昭和女子大学非常勤講師(2014年から2020年)
法政大学兼任講師(2019年から)
静岡文化芸術大学准教授(2020年から)
資格 学芸員
担当授業分野 博物館学概論、博物館実習、博物館資料論 など
研究分野 博物館学、日本近代史
研究テーマ 近代日本の企業家及び企業による芸術支援、博物館運営
研究業績 著書
  • 『博物館とコレクション管理 ポスト・コロナ時代の資料の保管と活用』(分担執筆、雄山閣、2022年)
  • 『企業と美術 近代日本の美術振興と芸術支援』(単著、法政大学出版局、2021年)
  • 『転換期の博物館経営』(分担執筆、同成社、2020年)
  • 『江戸ものづくり列伝』(共著、東京都江戸東京博物館、2020年)
  • 『明治、このフシギな時代2』(分担執筆、新典社、2017年)
  • ​『明治、このフシギな時代』(分担執筆、新典社、2016年)
  • ​『日本はじめて図鑑』(監修、ポプラ社、2012年)
  • ​『維新の洋画家―川村清雄』(共著、美術出版社、2012年)
  • ​『東京流行生活』(共著、河出書房新社、2003年)
論文・解説
  • 「江戸の名所三井越後屋から東京の名所三越呉服店への転換」(『静岡文化芸術大学研究紀要』第21巻、2021年)
  • 「見世物の規制と制度化をめぐる近代盛り場の変遷 ―公園・博覧会・勧工場―」(東京都江戸東京博物館紀要第10号、2020年)
  • 「公立博物館の外部資金導入 その経緯・事例・課題」(『博物館研究』Vol.52 No.12、2017年)
  • 「平成26年度 英国野外博物館への現地調査報告 野外博物館の持続的発展を目指して」(共著、東京都江戸東京博物館紀要6号、2016年)
  • 「堤清二 企業と文化 西武王国とセゾングル―プ」(東京商工会議所「東商新聞」2月号、2014年)
  • 「根津嘉一郎 維新期の立身出世列伝」(東京商工会議所「東商新聞」10月号、2013年)
  • 「企業と文化 維新の起業家大倉喜八郎と公共事業」(東京商工会議所「東商新聞」8月号、2013年)
  • 「伝統と革新 呉服店から百貨店への道程 三井呉服店と高橋義雄」(東京商工会議所「東商新聞」6月号、2013年)
  • 「海外博物館だより 米国スミソニアン協会国立自然史博物館における外部資金調達」(『博物館研究』Vol.47 No.7、2012年)
  • 「三井呉服店における高橋義雄(箒庵)の美術館構想と美術鑑賞教育――欧米留学と日本美術の発見」(三田芸術学会『芸術学』15号、2011年)
  • 「明治後期の三越呉服店における日比翁助の企業経営と藝術支援 ―百貨店経営理念の形成と美術的展覧会の理想―(東京都江戸東京博物館紀要第1号、2011年)
  • 「歴史系博物館と建築資料に関する研究」(共著、『住宅総合研究財団研究論文集』所収、論文集No.36 申請0833、2010年)
  • 『江戸東京歴史探検』六(岩城紀子編、分担執筆、中央公論新社、2005年)
  • 『明治時代館』(宮地正人、佐々木隆、木下直之、鈴木淳監修、分担執筆、小学館、2005年)
  • 『江戸東京歴史探検』四(板谷敏弘編、分担執筆、中央公論新社、2003年)
  • 「明治初年における警察制度創設過程についての考察-東京番人制度の成立を中心として-」(『東京都江戸東京博物館研究報告』第8号、2003年)
展覧会
  • 『江戸ものづくり列伝 ―ニッポンの美は職人の技と心に宿る』(2020年)
  • 『近代百貨店の誕生 三越呉服店』(2016年)
  • 『維新の洋画家 川村清雄』(2012年)
  • 『ペリー&ハリス』(2008年)
  • 『両国と大相撲』(2006年)
  • 『東京流行生活』(2003年)
  • 『江戸東京ものがたり』(2003年)
受賞歴
  • 第62回全国カタログ展 図録部門 審査員特別賞(松永 真賞)銀賞(2021年)
  • 日本博物館協会 棚橋賞(2018年)
  • 美術館連絡協議会 優秀カタログ賞(2012年)
  • 東京都生活文化スポーツ局長表彰(2008年)
所属学会・団体 アート・ドキュメンテーション学会、アートマネジメント学会、ICOM(国際博物館会議)、文化経済学会、三田芸術学会、明治維新史学会
社会的活動 川崎市文化芸術振興会議臨時委員(2020年度から2021年度まで)
浜松市博物館協議会委員(2021年度から)
浜松市美術館協議会委員(2021年度から)

メッセージ

大学院では日本近代史とアート・マネジメントを専攻し、いまは明治以降近代日本の企業経営と芸術支援について研究を進めています。博物館学の分野では、指定管理者制度における博物館の持続的発展のために必要な経営や運営に関心を持ち、研究に取組んでいます。

博物館は設立目的や使命に基づいた資料(作品)が集積しています。いままで行方不明だったもの、残っていることが奇跡的なもの、そして新たに発見されたもの。博物館にはそのような「もの」が集まってきます。学芸員は膨大な歴史資料や美術作品と対面し、最前線でその「もの」に直接触れることができます。そして、博物館に集まったコレクションの中から、出品するものを選択し、展示のストーリーを構成する企画力も問われます。また、新たにわかったことや、そのものがもつ意味を、わかりやすく解説しなければなりません。しかし、言うは易く行うは難し。一朝一夕にはできません。私もそれが実践できたのかについては常に自問自答しています。

一方、博物館に学芸員は必要ですが、学芸員だけでは成り立ちません。例えば、公立館ですと行政の仕組みや公益法人会計の知識、ミュージアムショップやレストランの管理運営、建物の修繕や維持管理、地域を巻き込んだ事業の企画運営、館と来館者をつなぐ教育普及、戦略的な広報計画の策定など、博物館では多彩な顔触れのプロフェッショナル人材が必要とされています。

私は博物館の学芸部門と管理部門の双方を経験し、行政機関でも文化施設の管理運営の実務を担ってきました。現場で培ってきた学芸部門と管理部門の知見は全て伝えるつもりです。博物館学芸員として必要な技能だけではなく、今日の博物館において必要な機能や役割を学び、実践的な知識を身につけ、博物館学芸員に留まらず、みなさんには行政機関や文化施設、または文化芸術に関連した企業で活躍する人になってほしいと願っています。